代謝が落ちるのは60代から
データ分析の結果、代謝率が明確に下がり始めるのは60歳を過ぎてからでした。
60代に達すると、人の代謝は年ごとに0.7%ほど低下するとのこと。それでも低下率はわずかなもので、大きな急落はありません。
しかし、90代に入ると、1日に必要なエネルギー量は、中年層に比べて平均26%少なくなっていました。
これは、筋肉量が少なくなるだけでなく、細胞の働きが鈍くなるためです。
研究主任の進化人類学者、ハーマン・ポンツァー氏は「代謝率が最も大きく変化するのは、生後1年の間」と指摘。
「1歳児は、大人に比べると、体格比で約50%もはやくエネルギーを消費しており、この時期の代謝率は急上昇していると言える」と述べています。
これは、赤ちゃんの細胞内で何かが起こり、活動的になっていることを意味しますが、その詳しいプロセスはまだ分かっていません。
ポンツァー氏は「本研究から、人の代謝は、これまで十分に理解されていなかった方法で、生涯にわたり変化していることが分かりました。
今後は、年齢ごとの代謝率の変化や安定化について、その仕組みを解明していきたい」と話しています。