周期的に弱まる地球磁場
地球の磁場には周期があり、約2億年ごとに弱まっているという理論は、2012年にリパブール大学が手動した研究によって提案されたアイデアです。
地球のコアは鉄とニッケルでできていますが、このコアは固体の内核と液化した外核に分かれており、外核の対流が地球の磁場を発生させています。
この外核の対流はそれより上層のマントルの影響を受けるため、地球磁場は確率的に変動する可能性があります。
地質学などの調査から、地球の古地磁気は何度も大きく変動していたことがわかっており、その中にはS極とN極が入れ替わる磁性反転も含まれています。
この古地磁気の記録には、ある程度周期性が確認されていて、それが2億年ごとに地球磁場は弱くなるという理論につながっているのです。
ただ、この理論は完璧なものではありませんでした。
その理由の1つが、約3億年以上前の磁場に関しては、信頼できるデータがないということです。
このデータ上のギャップを埋めるのが今回の研究です。
研究チームは、スコットランド東部の古代の溶岩流のサンプルから、リパブール大学が持つ固有の技術であるマイクロ波古地磁気分析を行い、信頼できるデータの存在しなかった、重要な期間の地磁気の強さを測定したのです。
また、過去約80年間に収集された、2億年前から5億年前のサンプルすべてにおいても、測定値の信頼性を分析しました。
その結果、3億3200万年前から4億1600万年前の間に、岩石に保存されていた地磁気の強さは、現在の4分の1未満であったことが明らかとなったのです。
これは以前の調査で見つかっていた、約1億2000万年前に起きた磁場の低下と同様の状況でした。
研究者はこの期間を「古生代中期の双極子低下(the Mid-Palaeozoic Dipole low:MPDL)」と名付けています。