口当たりの要素は糖類や脂肪ではなく小分子が担当していた
いったいどんな成分がコーヒーの複雑な口当たりを担当していたのか?
答えを得るために研究者たちはテイスターたちの力を借りて、成分の精製と単離を進めていきました。
結果、コーヒーの口当たりにはそれぞれ対応する小分子が存在することが判明します。
例えば、渋みは焙煎中にメイラード反応によって形成される「メラノイジン」と呼ばれる化合物と関連していることが示されます。
また、舌触りを担当しているのは「3‐カフェオイルキナ酸」と「4‐カフェオイルキナ酸」の2つの化合物でした。
興味深いことに、これら2つの化合物が舌触りを発揮するのは特定の濃度範囲にあるときだけで、濃すぎると逆に舌触りの感覚は薄れていきました。
さらに、粘度を担当していた物質として、アミノ酸を含む複数の化合物も発見されました。
この結果は、コーヒーの口当たりとしてあげられる「粘度」「舌触り」「渋み」「重さ」には、甘味や酸味と同じく対応する小分子が存在する可能性があることを示します。