ロボットペットは認知症患者の気分と行動を改善させる
チームはロボットペットがもたらす影響を調査するため、手頃な値段のロボットネコを購入。
そのロボットネコを認知症患者たちに与えました。
その際、患者には「ロボットネコが生きている動物ではなくロボットである」ことがはっきりと伝えられました。
また患者にはロボットネコの名前を決めてもらい、首輪と名札もつけてもらうことに。
そして日々の生活を共に送ってもらい、患者の気分や行動がどのように変化するか調査したのです。
その結果、実施したいくつかの検査のすべてで、患者の気分スコアに改善が見られました。
またうつ症状の改善し、注意力や計算力、言語能力にも小~中程度の向上が確認されたようです。
実際研究チームは、患者がロボットネコに笑顔で話しかける様子を観察しています。
患者たちは、ロボットネコの鳴き声や頭の動き、まばたきを見て、「自分の話を聞いてくれている」「自分を愛してくれている」と感じたようです。
さらに患者のうち何名かは、ロボットネコと一緒に遊んだり寝たりしました。
患者たちは可愛らしいロボットペットとのコミュニケーションに夢中になる中で、自然と気分や行動、そして認知機能が改善されていったのです。
この結果に対してチームは、次のように付け加えています。
「重要なのは、認知症患者の気分や行動の改善が、介護者や家族の生活の質を向上させる、という点です」
さて、ロボットペットを使ったケアは、ペットの世話やアレルギーの心配がありません。
頭や目が動く程度のロボットペットであれば、比較的安く販売されているため、ほとんどの家庭で導入できるでしょう。
現在、認知症の家族を介護しているのであれば、ぜひロボットペットを購入してみてはいかがでしょうか?
家族の負担が少しでも減り、患者自身ももっと幸せになれるかもしれません。