認知症患者と家族の苦悩
アルツハイマー型認知症は、脳神経の変性によって認知機能が大きく低下する病気です。
認知症を患った高齢者は、性格や言動が大きく変化してしまう場合があります。
攻撃的になって大声を出したり、不安や妄想で心がいっぱいになり急に泣き出したりするでしょう。
排泄・食事・睡眠といった日常生活にまで影響をきたすことも多く、お世話をする人は少しも気が抜けません。
そして認知症患者の家族は、認知症を患った親や配偶者の幸せを願う心と、慢性的な介護疲れに板挟みされることでしょう。
症状を緩和させる方法には、抗うつ薬、抗不安剤、睡眠導入剤などの薬物処方が挙げられますが、これらにはしばしば副作用が伴います。
では副作用がなく、安価で、すべての家庭や施設で簡単に導入できる画期的なケアの方法はあるのでしょうか?
研究チームは、ペットセラピーに着目しました。
ペットセラピーは、ペットと接することで気分や行動が改善される費用対効果の高いケアです。
しかし、患者のためにペットを飼育するのは現実的ではありません。
そこでチームが活用したのは、ロボットペットです。