脳は睡眠中にメロディを思い出して自動再生していた
チームが実験で得られた脳波データを分析したところ、睡眠時のイヤーワームを経験した人の前頭葉では、より大きな低速振動が観察されました。
この前頭葉の振動は、脳が記憶を定着させるときに観察されるものです。
つまり、脳が睡眠中に一種の記憶処理として「メロディの自動再生&脳内ネットワークを活性化」させるため、睡眠時でもイヤーワームが発生する、と考えられます。
さて、これらすべての研究結果をまとめると、次のように推測できます。
「就寝前に音楽を聴くと、睡眠中でも脳がメロディを記憶するよう処理し続けるため、睡眠の質が低下する」のです。
とはいえ、「メロディの記憶定着が睡眠の質を低下させる理由」がはっきりと判明したわけではありません。
また今回の結果だけでは、最近よく見かける「睡眠導入BGM」のメリットとデメリットを提出するものとはならないでしょう。
しかし研究チームは「良い睡眠とは、睡眠を優先することから始まる」と述べています。
私たちが効果的な睡眠をとりたいなら、まずは就寝前の音楽をやめ、睡眠を最優先してみるべきなのです。