防犯カメラが捉えた流星体落下の衝撃
隕石と思われる岩石の報告は、研究機関に数多く寄せられると言いますが、その99.9%はただの勘違いで地球の岩石だそうです。
しかし今回の報告は、調べるまでもなく確実に隕石だと判明しました。
なぜならその様子の一部始終を防犯カメラが記録していたのです。
2024年7月25日、カナダのプリンスエドワード島、シャーロットタウンのマーシュフィールド地区で、隕石の落下が確認されました。
隕石はローラ・ケリーさんとジョー・ヴェレイダムさん夫妻の自宅近くに落下しました。
二人は夕方の散歩を終えて帰宅した際、玄関先の歩道に灰色の粉塵が広がっていることに気付いたといいます。
最初は単なる砂埃かと思い、ヴェレイダムさんはほうきを持ち出して掃き始めましたが、地面の様子がおかしかったため、不審に思った彼は防犯カメラの映像を確認しました。
すると、そこには隕石が空から落下し、地面に衝突する衝撃で粉塵が舞い上がる瞬間が鮮明に映っていたのです。
この衝突の瞬間には氷が割れるような特徴的な音も記録されていました。
この映像は、流星体が地表に衝突する瞬間を記録した非常に珍しい事例として、科学界で注目されています。
またちょうどこの時期、アルバータ大学のクリス・ハード教授がこの島に観光に訪れていたそうで、破片がすぐに採取・分析され、この隕石はH5普通コンドライトに分類されると判明しました。
H5普通コンドライトというのは、主に鉄とニッケルから成る一般的な隕石のことで、数字の部分は金属粒子の熱変性の段階を指しますが、5は一般的なもので構造的に安定していることを指します。
これはよく見られるタイプの隕石で、その起源は火星と木星の間の小惑星帯だと考えられています。
隕石は粉々でしたが、粉塵を集めた結果、地上に到達した破片の質量は約95グラムだったと推定されています。
とはいえ衝突時の速度は時速200キロメートル近かったと推定されるため、もし人の近くに落下していれば大きな被害をもたらした恐れがあります。
ヴェレイダムさんは散歩中だったというので、もし出発の時間や帰宅の時間がズレていたら玄関先で隕石に衝突する不幸もあり得たかもしれません。
そう考えると非常に恐ろしい出来事です。
実際人にぶつかったという報告も過去には存在しています。