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マウスの「うつ状態を20分で治す点鼻薬」が開発される (2/3)

2021.11.16 Tuesday

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水責めでマウスを強制的に「うつ状態」にする

一般的な強制水泳テストの例。水深は尻尾が水槽の底につかない深さになっている
一般的な強制水泳テストの例。水深は尻尾が水槽の底につかない深さになっている / Credit:PETA

いかにして改良されたGLP-2の効果を確かめるか?

研究者たちが選んだのは、強制的にうつ状態にさせられたマウスでした。

多くの研究ではマウスをうつ状態にする場合、強いマウスに弱いマウスをいじめさせる「慢性社会的敗北ストレス」を利用しています。

慢性社会的敗北ストレスは父マウスから子へ「精子にのって遺伝する」と明らかに

ですか今回の研究で用いられた方法は一種の水責めとも言うべき「強制水泳」でした。

一般的に行われている強制水泳試験ではまず、マウスをどこにもよじ登れる所がない水槽に落とします。

するとマウスは最初、なんとか脱出しようと必死に泳ぎますが、やがて絶望して「うつ状態」に陥ります

その後マウスは人間によって救出されまずが、休憩時間を置いて再び水槽に落とされます。

この時、うつ状態が強いマウスほど泳ぎ諦めるのが早く、水面から鼻だけを出したまま「無動状態」になる時間が長くなります

逆にうつ状態が弱いマウスは生きる気力が残っており、全体に占める無動状態の比率が減ります。

研究者たちは1度目の強制水泳によって、うつ状態に陥ったマウスの鼻粘膜に、改良されたGLP-2を投与して、2度目の強制水泳の「無動状態」の時間を測定しました

改良されたGLP-2にどんな効果があったのか?

結果、改良されたGLP-2を鼻粘膜に投与されたマウスは、わずか20分ほどでうつ状態から脱却していることが判明しました。

この20分という極めて高い即効性は、通常のGLP-2を内へ直接投与した場合に匹敵するものです。

次ページ難治性うつ病が20分で治る未来が来るかもしれない

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