「空きっ腹に酒」が厳禁な理由
アルコールの吸収速度は、性別や年齢、アルコール耐性など、多くの要因に左右されます。
しかし、ほとんどの人に共通するのは、空腹状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収速度が早まることです。
血中のアルコール濃度は、空腹時の飲酒から約1時間後にピークを迎え、アルコール度数が20~30%の場合はそれがより顕著になります。
さらに、シャンパンやウイスキーのソーダ割りといった炭酸飲料は、体内へのアルコール吸収率を高めてしまいます。
そして、アルコールの吸収率や速度が上がってしまうと、当然ながら、その効果が大きくなります。
最も目立つのは、判断力や思考力の衰え、体の適切な協調運動の阻害です。
それから、空腹時での飲酒量が増えれば、激しい吐き気や嘔吐、頭痛を引き起こす可能性が高まります。
また、光や音に敏感になり、睡眠が妨げられ、ノドが極端に渇き、頭が正常に働かなくなります。
最終的に、「二日酔い」も通常よりずっと不快で、長続きしやすくなるのです。
「悪酔い」を予防できる飲み方
こうした「悪酔い」を防ぐには、食事と同時か、あるいはお腹がある程度満たされた状態で飲むのがベストです。
特に「炭水化物」を食べると、アルコールの吸収速度は緩やかになります。
これまでの研究で、炭水化物を摂取してからの飲酒は、空腹時と比べて、血中アルコール濃度の上昇が4分の1以下となることが分かっています。
炭水化物は、他の食物に比べてアルコールを吸収しやすいので、血中に溶け込む速度も低下するのです。
もし食べるものがない場合は、アルコールを水やジュースなどのノンアルコール飲料で薄めましょう。
また、ゆっくり少しずつ飲むのも、アルコールの吸収速度を抑えるには効果的です。
体内に吸収されるまでに時間がかかれば、アルコールの悪影響もそれほど強く受けません。
年の瀬は飲酒の機会も増えると思いますが、「空きっ腹に酒」には注意して、良いお年をお過ごしください。