うま味が基本味に含まれたのは最近だった
うま味とは「甘いお菓子」や「苦いコーヒー」、また「酸味の効いた酢の物」とは別の味です。
「だしの効いたすまし汁」などで感じる複雑なおいしさがうま味に該当します。
だしは日本食の基本なので、私たち日本人にとってうま味は昔から身近なものでした。
ところが世界的な観点で見ると、うま味の認知度は高くありません。
そもそも、うま味が基本味として認められるようになったのは最近なのです。
1908年、東京帝国大学(現在の東京大学)に所属している池田 菊苗(いけだ きくなえ)氏がだし昆布の中からうま味物質のグルタミン酸を発見しました。
その時以降、他のうま味物質も発見されるようになります。
例えば鰹節からイノシン酸、シイタケからグアニル酸が見つかっています。
とはいえ、この時点では日本の学者たちが主張するうま味を懐疑的に受け止めている科学者が多かったようです。
しかし2000年、舌の感覚細胞からうま味受容体(うま味物質を味として脳に伝える構造)が見つかったことで、世界的に広く認知されることになりました。