自己認識を持つAIはより良い判断を下せるようになる

人間の神経の活動をシミュレーション空間で模倣するニューラルネット技術は、現在のAI開発において主流になりつつあります。
現在の技術では人間の脳全体をシミュレートすることはできませんが、生物学的な制限(食事や休憩)にとらわれず、ネットワークを常に成長・強化させたニューラルネットは、既にいくつかの分野で人間の認知能力を上回るようになっています。
例えば、病状から病名を判定する判断力、
X線写真などから腫瘍をみつける画像分析能力、
戦闘機での空戦能力、
などは、人間よりもニューラルネットが優れていることが判明しています。
しかしこれまで開発されたニューラルネット搭載のロボットたちには、自らの体に対する視覚的な自己認識能力は極めて希薄でした。
そのためロボットたちは決められた動作は人間より得意でも、人間では考えられないような「なんでもない障害物にぶつかって倒れたりする」ことが起こり得ます。
人間より遥かに優れた部分と、ポンコツな部分が同居する現状では、高度な自律性を備えた汎用ロボットを作成することはできません。
そのためコロンビア大学のリプソン氏らの研究チームはこれまで10年以上に渡り、ロボットに何らかの自己認識を与える方法を探索してきました。
リプソン氏は「ロボットが自分の体に対して自己認識を持てるようになれば、より良い判断を下すことが可能になる」と述べています。
たとえば車の自動運転を行うAIの場合でも、車体を自己の体として認識するAIと、そうでないAIを比較した場合、事故の確率は大幅に違ってくると予測されるからです。
しかし視覚レベルでの基礎的な「自己認識」であっても、ロボットに芽生えさせるのは簡単ではありません。
リプソン氏はいったいどんな方法で、ロボットに自己認識を持たせたのでしょうか?






































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