2022年「注目された性科学ランキング」ベスト7
第7位:10年の修行果て「心だけで絶頂」できるようになった女性の科学的な調査結果
まず最初に紹介するのは、10年に及ぶ修練により性の奥義を極めた女性のニュースです。
人間にはうまれつき「夢精」や「夢イキ」などのように、無刺激で絶頂する能力が備わっていますが、意識的に行うことは困難です。
そこでチェコのカレル大学(Charles University)は、物理的な刺激なしに心だけでオルガスムを達成できると述べている女性(仮称:サラ)の生理学的な分析を行いました。
結果、サラが絶頂を迎えると、俗にいう「賢者タイム(性交後憂鬱)」を促すことが知られているホルモンが分泌されてることが判明。
サラは長年の修行により困難を克服し、好きな時に好きな間だけ絶頂を迎えられるようになっていました。
しかしサラが鍛錬を続けた背景には「膣痙」という性行為を困難にする障害があったのです。
サラ師の自己鍛錬の秘訣は記事にて紹介されています。
第6位:熱波に襲われたオスミツバチは「生殖器が暴発し射精しながら爆死する」と判明
第6位はゾッとするような奇妙な死に方をするハチたちのニュースです。
ブリティッシュコロンビア大学(UBC・カナダ)によると、オスのミツバチは熱波のショックで死ぬと、激しく痙攣して爆発するように射精し、腹部におさまっていた生殖器が体外に飛び出すというショッキングな現象を起こすことが判明したのです。
調査主任のアリソン・マカフィー(Alison McAfee)氏は、近年の温暖化により、この現象はますます増加するかもしれないと述べています。
なお対処策は以下の記事にて紹介されています。養蜂家の方々のお役に立つかもしれません。
第5位:人間のクリトリスの神経線維を初めて数えた結果1万本以上あることが判明!
第5位は誰も調べていなかった医学の穴を埋める研究でした。
米国のオレゴン健康科学大学(OHSU)で行われた研究によれば、性転換手術の過程で摘出された7人のクリトリスの一部(背側神経組織の片側)を顕微鏡で拡大し、画像解析ソフトを用いて神経線維数を数えたところ、1万本以上にもなることが判明した、とのこと。
これまで人間のクリトリスに存在する神経線維数は家畜などのデータを参考にして8000本ほどと考えられてきましたが、実際にはそれよりも20%以上も多い数となっていました。
人間の手首にある正中神経は体内でも特に神経線維の密度が高いことが知られており、1万8000本あまりが存在することが知られています。
しかしクリトリスは手よりも遥かに小さい器官であり、その役割も快楽を感じ取ることに特化しているにもかかわらず、正中神経の半分以上の1万本もの神経線維を有しているのです。
(※神経線維の密度が高い方がより繊細な感覚を持つことができます)
研究者たちは今回の結果を、性転換手術においてより優れた感覚を持つ陰茎(ペニス)を形成するのに利用できると述べています。
第4位:「性風俗レビュー」を利用して全国規模の性接触ネットワークの構築に成功!
次に紹介するのは、性風俗レビューサイトの書き込みを科学へと昇華させた研究です。
静岡大学で行われた研究によれば、性風俗のレビューサイト(ソープ系)に書き込まれている情報をもとに、全国規模の性接触ネットワークを構築し、その特徴を解析することに成功した、とのこと。
研究では男性レビュワーたちの遠征状況を可視化したマップも作成され、いくつかの都道府県同士が強いつながりをもっている様子が示されただけでなく、人口規模の小さな県(和歌山県や石川県など)であってもネットワークの重要なハブとして機能していることが判明しました。
新型コロナウイルスの蔓延において「夜の街」の重要性がたびたびクローズアップされてきましたが、今回の研究によって感染経路などの理解が進むと期待されます。
Twitterでは事情に詳しい人々により、各県の盛り場の情報が多数寄せられ、大きく盛り上がりました。
第3位: ずっと存在しないと考えられていたヘビの「クリトリス」を世界で初めて発見!
第3位は、ヘビのクリトリスにかんするニュースです。
豪アデレード大学(University of Adelaide)はこのほど解剖学的な研究により、メスのヘビに「クリトリス」が存在することを世界で初めて明らかにしました。
またヘビのクリトリスにも複雑な神経束があり、血液の送り込みで膨張する機能があったため、「哺乳類のクリトリスと似た触覚感度を持っている可能性が高い」と研究者たちは指摘します。
つまり、性交時の摩擦による快感をメスのヘビにもたらしていると思われるのです。
一般に、ヘビの性交は「子孫を残す」という唯一の目的のための義務的な行為であって、そこに楽しみや快感は伴わないと考えられています。
しかし今回の結果から、ヘビの性生活はこれまで理解されていた以上に複雑で多様である可能性が出てきました。
第2位:『HENTAI』愛好家を真面目に心理分析した論文が登場! ~人間のポルノと影響を同列に考えるべきではない~
日本初のエロアニメ・マンガをいつからか海外のポルノサイトでは『HENTAI』とカテゴライズするようになりました。
『HENTAI』コンテンツの人気はネットの普及とともに爆発的な増加をみせ、アジア地域だけでなく世界中の人々を魅了するに至っています。
しかし、こうしたコンテンツでは低年齢に見えるキャラクターが描かれていなど、現実の犯罪に繋がる可能性が危惧されて規制が厳しくなっています。
果たしてアニメ絵で表現されたエロコンテンツが、現実世界の人間に対する性嗜好を歪ませる可能性はあるのでしょうか?
オーストラリアのマッコーリー大学(MU)で行われた研究は、そんな疑問に対して第一歩となる『HENTAI』愛好家たちの基礎的な心理分析を実施しました。
一見して不真面目な研究に思えますが、『HENTAI』コンテンツの研究は人間の認知の奥深さと強く関連しています。
人間ではありえない巨大な目や、あり得ない等身・スタイルを持つ不定形の存在は、通常ならば恐怖や不気味さを感じさせる対象となりますが、『HENTAI』を好む人々は、そうした特殊な表現を性的欲求の対象として好んでいます。
そこには現実を対象にした場合とは異なる認知が働いている可能性があるのです。
調査の結果、『HENTAI』愛好家たちはアニメキャラクターに対して人間に対するものとは異なる独自の解釈基準を持っていることが判明します。
特に女性ユーザーにおいては心理的な状態も、現実の人間相手とは異なっていました。
そのため研究者たちは「『HENTAI』コンテンツが人間のポルノと同じように行動・感情・態度に影響を与えると仮定するのは適切ではない可能性がある」と述べています。
第1位:女性の「潮吹き」を青色着色料で可視化することに成功!
性行為が行われる際、女性から体液が勢いよく噴出する現象が知られています。
一般に「潮吹き」と呼ばれるこの現象は古くから知られており、4世紀の中国の道教の複数の書物において、その存在が記されています。
しかし現在のところ「潮吹き」が実際に何に由来する体液であり、どこからもたらされるか正確に追跡できるような可視化は行われていませんでした。
そこで今回、日本のクリニックの研究者たちは、生理食塩水に青色着色料(青色2号として知られる)を混入させた溶液を用意し「潮吹き」の起源を確かめることにしました。
実験にあたってはまず5人の女性被験者たちの膀胱に細い管を差し入れて溜まっていた尿を全て取り出し、代わりに青色に着色した生理食塩水を注入しました。
そして男性の被験者たちは女性たちが「潮吹き」を行うまで、性的刺激を加えました。
(※「潮吹き」が実際に起きた過程は全て動画にて記録され論文資料として提出されています)
結果、噴出した体液は青色をしていることが判明。
潮吹きによって噴出される液体が膀胱に由来することが改めて確認されました。
日本では、性科学は研究を行っている研究者だけでなく、研究に参加したボランティアの人々に対してまで、偏見の目が向けられがちです。
ですが、世界で最も高齢化が進んだ国に生きる私たちにとって、性科学は最も必要とされる分野です。
性科学を笑う国は少子化に泣くことになるでしょう。