腸内ウイルスによって腸内細菌をコントロールする
腸内ウイルスが人間の健康にどんな影響を与えるのか?
近年の研究によれば、腸内ウイルスは腸内細菌のバランスを整える役割を果たしていることが知られており、両者を合わせて一体化したものが「真の腸内細菌叢」と考えられるようになってきました。
この理論では、腸内ウイルスと腸内細菌の狩る狩られるの関係はある意味で肉食動物と草食動物の関係に似ているとされています。
肉食動物がいなくなると草食動物が増えすぎて植物が食いつくされてしまうように、腸内ウイルスは腸内細菌の増えすぎを抑えることで腸内環境を一定に保つ役割を果たしていると考えられます。
実際、過去の研究では腸内ウイルスが狩る対称にはいわゆる悪玉菌も含まれていることが示されており、腸内ウイルスの移植で感染症に苦しむ患者を治したり、肥満解消に役立つことが明らかにされました。
また腸内細菌の適切なコントロールは、小児期の喘息やADHD、さらには大人になってからの自己免疫疾患などにも重要であることが示されています。
もし腸内ウイルスを上手く使って腸内細菌を上手く制御できれば、多くの人々を苦しめる病気の治療に役立つでしょう。
(※研究者たちは既に喘息やADHDに関連する腸内ウイルスの探索を開始しているようです)
もしかしたら未来のスーパーでは腸内細菌の詰まったヨーグルトの横に、腸内ウイルスが入れられたプリンが並べられているかもしれませんね。
記事内の誤字を、修正して再送しております。