なぜネコは喉を鳴らす鳴き方を始めたのか?
ネコの「ゴロゴロ」は、咽頭の筋肉を細かく振動させて音を出したもので、厳密には「鳴き声」ではありません。
イエネコはもちろんのこと、ピューマやチーターなど大型のネコ科動物についても喉をゴロゴロ鳴らす鳴き方をすることがわかっています。
ネコ科の生き物たちはなぜ「ゴロゴロ」喉を鳴らすようになったのでしょうか?
子ネコが外敵に狙われない鳴き方
あまり知られていませんが、ネコの「ゴロゴロ」は子ネコが最初に覚える鳴き方です。
外敵に狙われやすい子ネコは鳴き声を出してしまうと襲われてしまうリスクがあるため、鳴き声を出さず喉を振動させて母ネコを呼びます。
また、生まれてすぐの子ネコは目も見えませんし、耳もあまりよく聞こえません。
そこで、母ネコもまた喉をゴロゴロいわせることで、振動によって「ここにいるよ」ということを伝えているのです。
ネコのゴロゴロ音は母子の安全なコミュニケーションがルーツなのですね。
ゴロゴロ音がネコの治癒に役立つという説も
また、ネコのゴロゴロ音の振動が体を治癒するという説もあります。
ネコのゴロゴロ音はどのネコも25Hz周辺の低周波であり、この周波数帯の振動は副交感神経を優位する効果があると言われているのです。
自律神経の1つである副交感神経は体を回復モードへ切り替える役割があります。
血圧を下げ、筋肉を弛緩させリラックスした状態にすることで、体を休め、回復させるのに役立つということですね。
他にも25Hzの低周波には骨形成を担う骨芽細胞を増殖させる効果や、精神を落ち着かせるセロトニンの分泌を促す効果があるのだそうです。
ネコは動物の中でも自然治癒能力が高い動物だと言われていますが、その理由はゴロゴロ音をフル活用した休息にあるのかもしれません。
しかし、治癒効果があるということは、ネコがゴロゴロいっているときに体を休める必要がある、つまりネコが何かしらのダメージを負っている可能性があるということです。
ここからはネコがゴロゴロ喉を鳴らすタイミングについて解説するとともに、そんな注意すべきタイミングについても解説していきます。