時速80キロのパンチで自分の拳は壊れないのか?
シャコは、海の世界でも指折りの「パンチ力」を持つ生き物です。
その一撃は時速80キロに達し、22口径の銃弾並みの衝撃力で貝やカニの殻を砕きます。
そのパンツのあまりの速さは「キャビテーション」と呼ばれる現象を引き起こします。
キャビテーションとは簡単にいえば、シャコパンチの極端な速度によって周りの水が冷たいまま沸騰し、たくさんの気泡が発生する現象です。
そしてこれらの気泡が弾けるときに強大なエネルギーが放出され、その衝撃波も相手に大きなダメージを与えます。
この二重の衝撃により、シャコパンチはただの物理的な打撃を超えた破壊力を持つのです。
![画像](https://nazology.kusuguru.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/mantis-shrimp1940__FitMaxWzk3MCw2NTBd-895x600.jpg)
しかし、ここで疑問が浮かびます。
シャコは自分のパンチ力で拳を壊してしまわないのでしょうか?
通常、強い衝撃を繰り返し受ければ、どんなに丈夫な物質でも亀裂が入り、損傷します。
それにもかかわらず、シャコは何度もパンチを繰り出しながらも、自分の拳を痛めることがありません。
これまでの研究では、シャコの拳の表面がナノ粒子の頑丈な層で強化されていることが判明しています。
しかし、それだけでは自ら生み出す強烈な衝撃波を防ぐには不十分だと考えられていました。
ところが今回の研究で、シャコの拳は「音響的な防御メカニズム」を備えていることが明らかになったのです。