イヌの利き手は人間ほど偏りがない
イヌにも個体によって利き手、つまり「使いやすい前足」が存在します。
しかし、人間とは違いイヌの右利き、左利きの割合には大きな偏りはなく、両利きの割合も比較的多いようです。
また、人間は「お箸を使うのもボールを投げるのも右」といったようにどのような行動に対しても利き手が一貫している割合が大きい傾向にあります。
一方、イヌは階段を上るときなどは決まった利き手から上るものの、おもちゃで遊ぶときにはそのときによって使う手が違い利き手があいまいになるそうです。
イヌの場合は行動によって利き手が変わるのですね。
オスとメスで左右の割合が異なる
またアメリカ・リンカーン大学のカースティ・ラヴェラック(Kirsty Laverack)氏らの研究グループが行った大規模な調査ではイヌの利き手の傾向に性別が関わっていることが明らかになりました。
イヌの利き手の傾向は性別を無視するとほぼ同じ割合(右:58.3%、左:41.7%)ですが、性別で分けると右利きの割合がオス56.1%、メス60.7%となっていました。
つまり、メスとオスで比べると、オスの方が左利きの割合が大きいことになります。
この「オスの方が左利きの割合が大きくなる」という傾向は人間やネコなど他の動物でも見られるものであり、アンドロゲンという男性ホルモンが右脳の発達を抑制することに起因するとされています。
このように右利き、左利きは脳の発達と深い関係があります。
逆に言えば、利き手を知ることで脳の発達を知ることができ、それに不随する様々なことを知ることができるのです。
イヌの利き手からわかることはどのようなものがあるのでしょうか?