「ブルームーン」の名前の由来とは?
月に2度目の満月は、なぜブルームーンと言われるようになったのでしょうか?
一説としては、「2度の満月」という意味のフランス語「la Double Lune」が「double lune」→「de bluh loon」→「the blue Moon」というように英訳されるときに誤訳されて生まれた、というものがあります。
また、19世紀にアメリカのメイン州で発行された「農民年鑑」に由来する説もあります。
1年は12カ月なので、春夏秋冬それぞれで1つの季節は3カ月となり、通常は1つの季節に満月は3回あります。
ただ、たまに1つの季節に4回の満月がくるケースもありました。この暦の区切りにおいては、4回目の満月がある季節では、3回目に昇る満月のことを「ブルームーン」と呼んでいたのだそうです。
複数の海外の国では、月ごとの満月に季節を反映した名前が付けられており、最近は日本でも1月は「ウルフムーン」6月は「ストロベリームーン」などの呼び方が知られていますよね。
イレギュラーな「3回目に昇る満月」を「ブルームーン」と呼ぶのは、これらの満月の呼び名と混同しないためだったようです(閏年のカレンダーの調整みたいですが)。
この「ブルームーン」がその後、月に2度目の満月の呼び名になったのは、1946年にアメリカの天文誌「Sky&Telescope」でアマチュア天文学者のジェームズ・ヒュー・プルイットが書いた「ブルームーン」という記事によります。
プルイットは、先ほどの「農民年鑑」に記載されていた「ブルームーン」という用語の使用法を簡略化し、ひと月の間に起こる2回目の満月と紹介してしまいました。それが広まって、一般に定着してしまったということです。
「青い月」は見える? 見えない?
ブルームーンの日は「ロマンチックな青い月が見えるのでは?」と思わず期待してしまいますよね。
色と月というと、さきほどあげたアメリカでの月ごとの満月の呼び方の中にも「ピンクムーン」があります。4月の満月です。
しかしこれは北アメリカの先住民が、その時期に咲く「フロックス」という花の色にちなんで名付けたことが由来であり、実際に月がピンク色に染まると言っているわけではありません。
さきほど由来について説明しましたが、ブルームーンもこれと同様で、残念ながら青い月が見えるわけではありません。
とはいえ、本当に月が青く見えるケースはあります。
高度が低い月は、夕日と同様に赤っぽく見えますよね。天体の高度が低いと、波長の長い赤い光の方が地球に多く届くので、赤い色が強く見えます。
また、空が青いのは大気中の微粒子によって、波長の短い青い光がより散乱されて、人の目に入ってくるからです。
この大気中のチリやホコリが月の見え方にも影響し、月が本当に青く見えることがあります。
実際、1883年にインドネシアの火山の爆発で、約2年間月が青く見えたのだとか。
そんな大規模な火山は起こってほしくないですが、本当に青いブルームーン、一度見てみたいものですね。