パーカー太陽探査機は時速63万5266kmという驚異的な速度を達成しました
パーカー太陽探査機は時速63万5266kmという驚異的な速度を達成しました / Credit:NASA Goddard / YouTube)
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時速63万km!NASAのパーカー太陽探査機が人類史上最高速度を達成

2023.10.11 Wednesday

時速63万5266km、これはこの度、NASAのパーカー太陽探査機が実際に叩き出した人類史上でも最高の速度です。

この速度は秒速にすると176.74kmであり、1時間で地球をおよそ15周もできる速度です。

あまりにも速く、なかなかイメージしづらいスピードですが、東京-大阪間を約2.8秒で移動できると考えると、そのとてつもない速度が伝わるかもしれません。実に新幹線の約2118倍の速さということになります。

地球を周回している人工衛星は、速いものでもそのスピードは約秒速8km、時速にすると2万8800kmで、パーカー太陽探査機の約22分の1ほどです。

パーカー太陽探査機は、どのような仕組みで時速63万5266kmという速度を手に入れたのでしょうか。

また、それまでの最高速度はどれくらいのものだったのでしょうか。

Probe Blazes New Record For The Fastest Thing Ever Made by Humans https://www.sciencealert.com/probe-blazes-new-record-for-the-fastest-thing-ever-made-by-humans

パーカー太陽探査機とは

NASAのパーカー太陽探査機(Parker Solar Probe)は、太陽の外部コロナ(太陽の外層大気の最も外側にあるガスの層)の直接観測を目的とし、2018年812日にアメリカ東部宇宙ロケットセンターより打ち上げられました。

パーカー太陽探査機のミッションでは太陽の極めて近くまで接近する必要があり、約600万キロメートルまで太陽に近づく計画をもとにその軌道が考えられました。

また、この探査機は地球軌道の約520倍という太陽からの強烈な熱放射と放射線を耐える必要があります。このため、約1400℃までの熱を防ぐ特製の耐熱シールドが正面に装備されており、主要な機器は、直射日光を避けるためこのシールドの影に配置されています。太陽への接近時には冷却用の流体を用いて温度を適切に維持します。

そんなパーカー太陽探査機は、2023年9月27日、17回目の太陽周回で時速63万5266kmという速度を打ち立てたのです。

しかし、具体的にはどのようにしてその驚異的な速度を得たのでしょうか。

それには金星の存在が関わってきます。

パーカー太陽探査機は金星の重力を利用してその速度を上げています
パーカー太陽探査機は金星の重力を利用してその速度を上げています / Credit:canva

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