パーカー太陽探査機とは
NASAのパーカー太陽探査機(Parker Solar Probe)は、太陽の外部コロナ(太陽の外層大気の最も外側にあるガスの層)の直接観測を目的とし、2018年8月12日にアメリカ東部宇宙ロケットセンターより打ち上げられました。
パーカー太陽探査機のミッションでは太陽の極めて近くまで接近する必要があり、約600万キロメートルまで太陽に近づく計画をもとにその軌道が考えられました。
また、この探査機は地球軌道の約520倍という太陽からの強烈な熱放射と放射線を耐える必要があります。このため、約1400℃までの熱を防ぐ特製の耐熱シールドが正面に装備されており、主要な機器は、直射日光を避けるためこのシールドの影に配置されています。太陽への接近時には冷却用の流体を用いて温度を適切に維持します。
そんなパーカー太陽探査機は、2023年9月27日、17回目の太陽周回で時速63万5266kmという速度を打ち立てたのです。
しかし、具体的にはどのようにしてその驚異的な速度を得たのでしょうか。
それには金星の存在が関わってきます。