海水の淡水化や気候変動の予測に期待

現状、光分子効果はヒドロゲル上でしか観察されていませんが、研究者たちは海面や雲の中など他の条件下でも同様に発生する可能性を指摘しています。
海面からの蒸発を考えたとき、これまでも理論値と合わないことが多くあったためです。
もっと身近な例で言えば、晴れの日と曇ってる日で、洗濯物の乾き方が違うのも光分子効果のせいかもしれません。
光分子効果を使えば、熱エネルギーを使わなくても水の蒸発を早めることができます。
このため、蒸留を用いた浄水や海水の淡水化において、安価で大幅に蒸発の効率を上げられることが期待されています。
また、光分子効果を踏まえた蒸発プロセスを数式化できれば気候変動の予測がより正確になる可能性もあります。
光分子効果はまだ発見されたばかりで、仮説の域を出ない部分も少なくありません。
しかし、もし実用化されれば「水」という資源の幅が大きく広がるでしょう。
緑色の光を当てて洗濯物を早く乾かす乾燥機の登場もいつの日か…。
気化式加湿器にもいいですよね。