アルビノと白変種はどう違うのか?
アルビノ(albino)とは、簡単にいうと、体のメラニン(色素)をつくる遺伝子が欠損していることで、全身のメラニンが先天的に欠乏している個体を指します。
アルビノは遺伝的にメラニンが合成できないので、皮膚や体毛、羽毛に至るまで体中が真っ白になります。
これと反対に、白変種(リューシズム)は色素をつくる遺伝子は正常であるものの、体の色素が減少することで皮膚や体毛が白化した個体を指します。
白変種になるには、両親から白変種の遺伝子を受け継がなければなりません。
というのも、皮膚や体毛を白化させる遺伝子は表には現れない潜性遺伝子であり、たとえ片方の親から受け継いだとしても、通常の顕性遺伝子に隠されてしまうため、見た目の特徴としては現れません。
(※潜性遺伝および顕性遺伝はそれぞれ劣性遺伝、優性遺伝と呼ばれていたものです。言葉のイメージから意味を誤解される事があるため現在は呼び方が変わっています)
そこで白化を表現型として現すには、父親と母親の両方から白変種の潜性遺伝子をもらわないとダメなのです。
野生下で白変種の個体がめったに見られない理由はここにあると考えられています。
またアルビノと白変種を見分けるポイントは「瞳の色」にあります。
先ほど言ったように、アルビノは遺伝的に色素がつくれないので瞳の色素も抜け落ちてしまい、奥の血管が透けて赤っぽく見えるようになります。
一方で、白変種は色素をつくる遺伝子は正常に働いているため、瞳の色は通常と同じ色になります。白化が現れるのは主に皮膚と体毛、羽毛だけです。
ただアルビノも白変種も野生下で生き抜くには、不利な形質と言われています。
真っ白な体は他の仲間と違って非常に目立つため、天敵にも見つかりやすくなりますし、またメラニンの欠如により直射日光にも弱くなります。
頂点捕食者であるワニも大人になれば安全かもしれませんが、小さな子供のうちは危険です。
ワニの子供はジャガーやニシキヘビに捕食されることが知られています。
純白のワニはすくすくと成長中
ゲーターランドで生まれた純白のワニは現在、ホワイトゲーター沼(White Gator Swamp)と呼ばれる野生環境を模した安全な園内スペースで飼育されています。
そこには直射日光からワニを守る日陰が十分にあり、細かく切った鶏肉を食べて元気に成長しているようです。
健康状態は一緒に生まれたオスと共に良好で、すでに体重約96グラム、体長49センチに達しているといいます。
マクヒュー氏によると、純白のワニは来年初めから一般公開をスタートし、それまでに兄弟のワニも含めて、正式な名前を決める予定とのことです。
名前はゲーターランドの公式facebookやYouTube上で募集しており、現時点で「ルーシー&リッキー(Leucie and Rickie)」「ソルト&ペッパー(Salt and Pepper)」「ライス&ガンボー(Rice and Gumbo)」などが候補に挙がっています。
皆さんも名前のアイデアを送ってみてはいかがでしょうか。