意外な理由で低下したライオンの狩りの成功率
外来アリによって東アフリカのサバンナの木々が減少した結果、景観が大きく変化しました。
これが原因で、ライオンたちの狩りの成功率が下がりました。
ライオンたちはシマウマを狩る時、木々に隠れて忍び寄りチャンスを伺います。
サバンナの木々が大きく減少したということは、ライオンたちが隠れづらくなるということです。
実際に研究チームは、外来アリの侵入により、ライオンたちのシマウマ狩りの成功率が減少していることを確認しました。
一見無関係に思える「外来アリ」と「ライオンの狩りの成功率が下がること」には、確かに関連性があったのです。
外来アリ自体は15~20年前に持ち込まれましたが、研究チームは、「彼らは人間を含む大きな生き物に対して攻撃的ではなかったため、私たちの誰もその影響に気づきませんでした」と述べています。
しかし今、景観に壊滅的な影響を与え、ライオンの狩猟を阻んでいることを確認できます。
このことは、自然界が絶妙なバランスと相互関係で保たれていることを改めて示しています。
たとえ「小さなアリ」だったとしても、それを別の環境に持ち込むことは、取り返しのつかないほど大きな影響を与える恐れがあるのです。
ちなみに、こうした影響があっても、ライオンたちの数は今のところ減っていません。
この理由について研究チームは、ライオンたちが標的をシマウマからスイギュウに変更したからだと考えています。
しかしスイギュウはシマウマよりも大きく、群れで行動するため、はるかに手ごわい獲物です。
こうした狩猟ターゲットの変更が、今後、ライオンやスイギュウたち、また周囲の環境にどのような影響を与えていくのか、現段階では分かっていません。
もしかしたら、もっと大きな出来事へと繋がっていくのかもしれませんね。
東アフリカのサバンナで生じている「風が吹けば桶屋が儲かる」現象は、今度も連鎖していきそうです。