売春の刑罰化で強姦件数が増加!
同氏は今回の調査で、スウェーデン犯罪防止委員会の報告書(Swedish National Council for Crime Prevention)における1997年から2014年のデータを利用しています。
スウェーデンで売春禁止法が導入されたのは1999年であるため、売春が違法となった前後の強姦犯罪率を分析することができました。
そしてデータ分析の結果、売春の刑罰化はその後の強姦犯罪の報告数の大幅な増加と有意に関連していることが判明したのです。
具体的には、1997年から2014年の間に、強姦犯罪の発生率は約44〜62%も増加していることがわかりました。
チャッチ氏はこれを受けて、合法的に性行為を購入することができなくなったために、一部の人々がその代替手段として強姦に手を染めている可能性が高いと説明しています。
この調査結果は、性的サービスに従事する人々を守り、性犯罪を減らす手段として、売春を法的に規制することが効果的ではないことを示唆するものです。
効果的でないのみならず、売春を安易に刑罰化してしまうと返って性被害を拡大させてしまう恐れがあるのです。
一方で、今回の調査はあくまで相関関係を調べたものであり、売春がなくなると強姦が増えることの因果関係ははっきりしていません。
そこでチャッチ氏は今後、売春の禁止が強姦の増加を引き起こすメカニズムをより深く追求し、性被害を減らす効果的な公共政策の確立に役立てたいと話しています。
買売春の法整備は非常に難しい面があります。
完全に合法化してしまうと、このサービスへの斡旋や勧誘が横行し、性サービスを強要される被害者を増加させる恐れがあります。また感染症が広まる温床となる懸念もあります。
しかし、法規制を強化しても完全な取り締まりが難しく、管理されていない場所で行われる性被害が増加する恐れがあります。
今回の研究で言及されているように性行為を購入できなくなった人たちの一部が、強姦に走るという恐れも高まるでしょう。
また性サービスは巨大なマーケットであることも事実なので、無理な取り締まりをすると繁華街が急速に衰退してスラム化し別の犯罪の温床になる恐れもあります。
きちんと法整備して税収源としつつ、セックスワーカーを国が保護していくべきという意見もありますが、これも行き過ぎれば国が性サービスを斡旋しているような状況になりかねず、倫理的にも舵取りの難しい問題になるでしょう。
日本でも売春防止法は中途半端な内容で曖昧に取り締まられている印象がありますが、それは今回の研究でも示されているように、効果の見極めが非常に難しい法律であるためです。
禁止、合法どちらを選択するにしても下手な切り替えを行うと、目的とはまるで逆効果の社会的混乱を生みかねません。
そのため、今回のような研究を地道に積み重ねていくことが重要になるのでしょう。
sexをしたい人が集まってsexできる場所を全国各地に作ればいいのに