亜鉛はテストステロンの減少を食い止める?
亜鉛を飲むとどうしてテストステロンが増えるのか? 今回の研究は関連性を見たものであり、そのメカニズムについて正確なことはまだ研究中の段階です。
UHA味覚糖に問い合わせたところ、あくまで仮説のひとつだとの断りの上で以下のことを教えてもらいました。
思春期以降、体内のテストステロンは5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロンに変わります。ジヒドロテストステロンは髪の毛が抜けるサイクルに関わっていて、抜け毛・脱毛の主犯格なんですが、亜鉛は5αリダクターゼを阻害し、ジヒドロテストステロンを作らせないようにします。
その結果、体内にテストステロンが増えるという、テストステロンの分泌量が増えるわけではなく減らさない方向でいくというのが亜鉛の働きらしいのです。
亜鉛の働きがわかったのは、たかだかこの40年ほどで、主食の穀物にフィチン酸が多く含まれている地域で亜鉛欠乏症が生じ、成長遅延、男性の性腺機能低下症、肝脾腫、肌荒れなどが起きることから亜鉛の働きがわかってきたということです。
普通の食事をしている限り、亜鉛が不足することはあまりないそうですが(厚労省の基準では、成人男性の推奨摂取量が11㎎、食品に添加する上限は15㎎と定められている)、テストステロンが減り続けている中高年としては、なんとか堤防の決壊を防ぎたい! ですよね。
各社亜鉛サプリメントを出されていますが、亜鉛サプリに使われる亜鉛は、主にグルコン酸亜鉛と亜鉛酵母の2種類があるそうです(他にも酢酸亜鉛や硫酸亜鉛など)。
グルコン酸亜鉛は、亜鉛の摂取量が高く、吸収率が高い亜鉛化合物です。これで十分なのですが、亜鉛を酵母に食べさせた亜鉛酵母はさらに吸収がいいらしい。
あくまで試験管内での実験ですが、亜鉛酵母はグルコン酸亜鉛に比べて約23%吸収しやすいそうです。
そのため男性機能に悩んで亜鉛に頼ろうとする場合には、亜鉛酵母を選んだ方が期待値は高まるかもしれません。
なお亜鉛の摂取上限は成人で40㎎。食事から6~10㎎はとれているので、サプリメント1日分10~15㎎は妥当とのことです。これを超えると吐き気や嘔吐、頭痛などが起き、長期的には免疫が落ちたり、他のミネラルの吸収を妨げたりと良いことはまったくありません。
文字通り、亜鉛サプリメントは用法容量は守ってお使いください。
記事内の誤字を修正して再送しております。
「60歳代は54~16.7pg/mL」←5.4では?