真夏のハイキング中に「恐竜の骨」と遭遇!
この物語は2022年7月の米ノースダコタ州マーマース近郊に広がるバッドランズから始まります。
当時7歳のリアム(Liam)くんと10歳のジェシン(Jessin)くんのフィッシャー兄弟と、そのいとこで当時9歳のカイデン・マドセン(Kaiden Madsen)くんの3人は、岩だらけの荒涼としたバッドランズでハイキングをしていました。
この地は兄弟の父親であるサム・フィッシャー(Sam Fisher)さんのお気に入りの場所であり、このときも3人のハイキングに同行していたといいます。
その最中、3人の少年は風化した堆積岩層から何やら大きな突起物が突き出ているのを見つけました。
近づいてよく見てみると、それは明らかに恐竜の骨だったのです。
実はこのエリアには「ヘルクリーク累層」といって、約6600万年以上前に遡る白亜紀末の地層が保存されていることが知られていました。
過去には実際にバッドランズの地層から恐竜の化石がいくつも出土しています。
子供たちの発見に驚いた父親のサムさんは、高校の同級生で、現在はアメリカ中西部コロラド州にあるデンバー自然科学博物館の古生物学者となっているタイラー・ライソン(Tyler Lyson)さんに連絡をしました。
バッドランズはタイラーさんにとっても馴染み深い故郷であり、子供の頃からこの場所でよく発掘ごっこをしていたといいます。
また3人の少年たちとも交流が深く、特にフィッシャー兄弟はハロウィンになるとタイラーさんの仮装をしていたほどだという。
タイラーさんは送られてきた写真を見て、「君たちは間違いなく恐竜の化石を発見したぞ!」と言いました。
ただし、地面から突き出た部分的な骨だけでは何の恐竜か判断できません。
そこでタイラーさんは化石の正体を突き止めるため、翌年7月に3人の少年を連れてバッドランズで本格的な発掘作業を開始しました。