人は、自分の名前と似ている職業や都市を選択しやすい
今回、チャタジー氏ら研究チームは、「生涯でほぼ変更されない」という理由で、フルネームではなく、「ファーストネーム(氏名における名)」だけに焦点を絞ることにしました。
そしてTwitter(現X)やGoogleニュース、Googleブックス、コモン・クロール(世界中のサイトのアーカイブとデータセットを提供)のデータを、言語モデルを使用して分析しました。
これにより、膨大な数のファーストネームと、508の職業、1万4856の都市との関連性が明らかになりました。
結果として、すべてのデータセットで、「名前が職業や住む場所に影響を与える」効果が一貫して確認できました。
例えば、DennisさんはDentist(歯医者)になったり、Denver(デンバー。アメリカ・コロラド州の都市)に住んだりすることが多かったようです。
名前と職業名が似ていたり、名前と同じ頭文字の都市に住んでいたりすることが多いと分かったのです。
研究チームは、これらの結果は「偶然と言うよりもはるかに高い確率だった」と述べています。
しかも調査結果は数十年にわたって一貫しており、「この仮説の効果は20世紀を通じて安定して発揮されていた」とも述べています。
ちなみに、高等教育を受けた人は、名前や名前の頭文字が職業選択に与える影響が少ないことも分かったようです。
また女性も、名前と職業選択の影響が少なく見えるようです。ただし、女性のこの傾向は時代が進むにつれて縮まっているようにも見えると報告されています。
これらの傾向は、学歴が低かったり、女性であることが職業選択の自由を狭めるためではないかと予想されています。
近年は女性の社会進出が進み、女性の職業選択の自由も増えてきたため、名前が職業選択に与える影響も大きくなっている可能性があるのです。
今回の研究では、「名前が人生の選択に影響を与える」という仮説が、確かに現実にいくらかの影響を与えていることが示されました。
しかし、その効果は比較的小さな影響である点に注意が必要です。ほとんどの人は自分の名前とは関係のない職業につき、関係ない都市に住んでいます。
また今回の仮説と結果が、私たち日本人にどこまで当てはまるのかも分かりません。
特に「ファーストネームの頭文字」という観点では、それが漢字を指すのか、ひらがなを指すのかで大きく影響が変わってくるようにも思えます。
それでももしかしたら、「清さんが清掃業者になる」「絵美さんが絵本作家になる」などの関連性はあるのかもしれません。
もしこの効果が存在するのだとしたら、漢字は一文字でも意味を表すため、日本人や中国人の方が主格決定論の影響は大きい現れるかもしれません。
実際、「名は体を現す」という言葉も存在しています。古くからある格言やことわざは、メカニズムは不明でも昔から人が感じ取っている現象を現している場合があります。
また命名には、少なからず人の希望や願いが込められているはずですから、名前には親の期待が反映されているという考え方もできるかもしれません。
親が子供にどういう人になって欲しい、どういう職業について欲しいという希望を込めて名前を付けたなら、子供は当然幼いうちからずっとその意向を意識し続けることになるでしょう。
いずれにせよ、こうした効果の影響を考えると、親の責任は重大だと言えます。
親は子供の人生を考えて、真剣に命名してあげるべきなのです。
毒島さんとかどんな職業に就きやすいのか気になります!
薬屋になるのでは