「2019年の極小期」と「2024年の極大期」の画像比較
NASAによると、太陽は太陽活動極大期に到達したようですが、実際にはどれほどの違いがあるのでしょうか。
公開された比較画像から確認してみましょう。
まず、太陽観測衛星からの静止画像です。
左の画像は太陽活動極小期(2019年12月)であり、右の画像は太陽活動極大期(2024年8月)です。
極小期には太陽表面にある黒い点「太陽黒点」がありませんが、極大期にはいくつか見られます。
この太陽黒点の正体は磁力線が集中している場所であり、この場所では磁力によりプラズマの対流が妨げられ、周囲より温度が下がって暗くなっています。
そして太陽黒点の増加は太陽活動の活性化と関連しており、太陽周期の進行を追跡するのに役立ちます。
次は同じ時期の太陽を動画で比較してみましょう。
この動画では、太陽フレア(爆発現象)が確認しやすくなっています。
太陽フレアもまた太陽活動が活発な時に発生しやすく、極大期には、極小期と比べて、太陽フレアが50倍も発生しやすいと言われています。
最後に、太陽の最新の画像を見てみましょう。
これは、NASAが今回の発表を行った少し前(2024年10月3日)に撮影された画像です。
太陽が強い太陽フレアを放出しているのが分かりますね。
この日の太陽フレアは、第25太陽周期の中で最大であり、その規模を評価する「太陽フレア等級」は、「X9.0」でした。
この等級は、低い方からA、B、C、M、Xの5つに分類されており、Xクラスは最も強いフレアを示します。
また各等級に続く数字は1~10で示され、より詳細な強度を示します。
Xクラスの上の等級はないため、Xクラスだけは例外的に10以上の数字が与えられる場合があります。
そう考えると、今回計測されたX9.0は非常に高いレベルであり、まさに太陽活動極大期にふさわしい太陽フレアだったと言えます。
実際、X9.0は、これまで測定された太陽フレアの中で、上位20位以内に入っています。
そしてこのような強い太陽フレアが発生すると、強力なプラズマが地球へと降り注ぎ、電子機器や通信機器に悪影響を及ぼす可能性があります。
またそれらプラズマ粒子が地球表面の大気とぶつかって光り、見事なオーロラを生み出す場合もあります。
今年になってオーロラが非常に多く観測されているのは、今が太陽活動極大期にあるからです。
報告では、しばらく太陽活動極大期が続くようです。
少なくとも今後1年間は、太陽活動がもたらす「美しさ」や「弊害」など、様々な影響に関心を払っているべきでしょう。