最後までキンキンに冷えたビールを楽しむには?最適なグラスの形状を探る研究
キンキンに冷えたビールを喉に流し込む瞬間ほど最高なものはありません。
しかし、食事やおつまみを楽しみながら飲み進めていくうちに、グラスの中のビールはだんだんとぬるくなってきます。
ビールがぬるくなったり気が抜けたりすると、私たちの苦みや香りの感じ方が変わります。
それを「不味い」と思う人も少なくありません。
では、グラスに注いだビールをできるだけ長く冷たいまま楽しむ方法はあるでしょうか。
ペレグリーニ氏は、グラスには様々な種類が存在することに着目し、どんな形状のグラスであれば、ビールの冷たさを保ちやすいか科学的に調べることにしました。
近年では、ステンレスと真空断熱を利用した保温性能の高いタンブラーグラスなどが人気ですが、今回の研究では、素材をガラスに限定し、形状と熱伝導率の関係を分析しています。
分析の対象となったのは、実際に、世界中でビールを飲む時に使用されている様々な形状のグラスです。
例えば、飲み口が狭く胴体部分が広がっている「チューリップグラス」、取っ手の付いた広口の「ビールジョッキ」、背が高く根本がくびれたような「ヴァイツェングラス」、飲み口が広くて下に行くほど狭くなっていく「パイントグラス」などです。
ペレグリーニ氏は、これらのグラスの表面積と体積の比率を最適化し、より熱伝導を遅くする形状を探しました。
ちなみに、今回の研究では、「グラスの底部が断熱されており、熱移動は上部と側面からのみ発生する」と想定しています。
では、この実験で明らかになった「ビールを冷たく保つのに最適な形状」とは何でしょうか。