このGIFの正体は「ヘビ花火」!その原理とは?
どうしてヘビ花火は火をつけるだけでモリモリと伸びていくのでしょうか。
ヘビ花火は、簡単に手作りできます。
砂糖と重曹(炭酸水素ナトリウム)を混ぜ、燃焼用のアルコールを注いで火をつけるだけで、黒い塊が出現し始めるのです。
そのプロセスは、以下のように説明できます。
まず、重曹が熱で分解され、二酸化炭素を発生させます。
この二酸化炭素のガスは「膨張する力」を生じさせ、熱で溶けた砂糖を押し広げます。
この時、溶けた砂糖は粘性の高い液体となるだけでなく、水分が抜けて炭化が進み、黒い炭になっていきます。
この「ガスの発生」と「砂糖の炭化」が同時に起こることで、黒いヘビのような物体が形成されるのです。
そしてこのヘビが大きく膨らむのは、発生したガスが溶けた砂糖を押しのけ、スポンジ構造のまま炭化していくからです。
そのため形成された「黒いヘビ」の中身は気泡がたくさん入ったスカスカの状態ですが、その分、体積が元の何倍にも大きくなるのです。
これは、「カルメ焼き」が膨らんで固まる過程と似ています。
カルメ焼きでは、砂糖を熱して溶かした後、重曹を入れて素早くかき混ぜることで膨らんで固まりますが、ヘビ花火でも同じように膨らんでスポンジのように固まります。
ちなみに、ヘビ花火が上方向にまっすぐ伸びていくのは、発生したガスが上昇しようとして、溶けた砂糖を上に押し上げるからだと考えられます。
また燃焼が進む方向も関係しており、熱が伝わる方向に従って、反応が連鎖的に進行していきます。
このように、いくつかの要素が、私たちの目を引くヘビ花火を生み出していたのです。
製品としてよく見かけるヘビ花火は、手作りのヘビ花火と使用されている成分こそ異なるものの、原理は同じです。
では最初に提示した画像の無数の黄色い触手がニョロニョロ生えてくるような現象は、どういう理屈になるのでしょうか。