なぜ急に雨が降り始めたのか?
それまで高温乾燥していた地球に、なぜ突如として雨が降り始めたのか?
これは長年にわたって研究者たちの議論が続いており、いまだに完全な決着はついていません。
しかし現時点で最も有力な仮説は「火山活動」によるものとされています。
これまでの研究で、三畳紀後期に、パンゲア大陸を取り巻くパンサラッサ海の一部で大規模な火山活動が発生していた証拠が見つかりました。
これらの地質学的な証拠は、その後の大陸移動によって、現在のカナダ西部と日本〜極東ロシアへと移動しています(下図を参照)。
大規模な火山活動により、莫大な量の温室効果ガスが大気中に排出されます。
これは当然ながら地球の温暖化を引き起こしたでしょう。
そして地球が熱くなった結果、水の蒸発が各地で活発になり、巨大な雨雲がパンサラッサ海から大量に発生。
それが200万年間も続くカーニアン多雨事象を引き起こすに至ったと考えられているのです。
しかし200万年も雨が続いている世界とは一体どのような光景だったのでしょう?
もしそこに私たちがいたらかなり憂鬱な気持ちで暮らすことになったかもしれませんが、進化史的にはカーニアン多雨事象のおかげで恐竜が繁栄し、さらにその陰で哺乳類の台頭もほぼ同時に起こりました。
長い長い雨の時代がなければ、私たち人類の誕生もあり得なかったかもしれません。