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猫のように頭をすり寄せてくるロボットを開発 / Credit:田中 文英(筑波大学)_猫のように頭をすり寄せてくるロボットを開発し、その癒し効果を検証(2024)
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「21世紀のネコ型ロボット」は癒し系!?猫のようにすり寄せてくるロボットが心を癒すと判明

2025.02.05 06:30:02 Wednesday

22世紀から来たネコ型ロボットと言えば「ドラえもん」ですが、21世紀のネコ型ロボットは、猫のように頭をすり寄せてくる癒し系かもしれません。

猫が飼い主に頭をすり寄せる行動は、愛情表現やマーキングの意味を持つとされています。

この何気ない仕草が、人間のストレスを和らげる効果があるかもしれない——そんな発想から、筑波大学(University of Tsukuba)の研究チームが、新しいセラピーロボットの開発に取り組みました。

研究を主導したのは、筑波大学システム情報系の田中文英(Fumihide Tanaka)教授。

彼らは、猫のすり寄せ行動を模倣するロボットを開発し、それが人間の緊張を和らげる効果を持つかどうかを実験的に検証しました。

研究成果は、2024年12月24日付で『ACM Transactions on Human-Robot Interaction』誌に掲載されました。

猫のように頭をすり寄せてくるロボットを開発し、その癒し効果を検証 https://www.tsukuba.ac.jp/journal/technology-materials/20241225140000.html
Development of a Robotic Device that Performs Head Bunting to Relieve User Tension https://doi.org/10.1145/3700600

猫の「すり寄り」は心を癒す

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猫のすり寄せにはリラックス効果がある / Credit:田中 文英(筑波大学)_猫のように頭をすり寄せてくるロボットを開発し、その癒し効果を検証(2024)

ペットとのふれあいがストレス軽減に効果的であることは、これまでの研究でも広く知られています。

例えば、犬やと過ごすことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が低下し、幸福感を高めるオキシトシンが増加することが報告されています。

しかし、ペットを飼うことができない人も多く、その代替としてロボットによる癒しの研究が進められています。

これまでに開発されたセラピーロボットとしては、アザラシ型ロボット「パロ(PARO)」や、ぬいぐるみ型ロボット「Qoobo」などがあります。

これらのロボットは、触れることで癒しを提供するものですが、これまでのセラピーロボットは「人がロボットに触れること」が前提でした。

しかし、筑波大学の研究チームは、「ロボットのほうから人に触れることで、より自然な癒し効果が得られるのでは?」と考えました。

そこで着目したのが、猫のすり寄せ行動。

猫が頭をすり寄せると、私たちは無意識のうちに「愛されている」と感じ、リラックスします。

もしロボットが同じ動作を再現できれば、ペットを飼えない人や、高齢者のメンタルヘルスにも役立つ可能性があります。

では、ロボットによるすり寄せは、本当に人間の緊張を和らげるのでしょうか?

次ページ「ネコ型ロボットのすり寄りでストレスは減る」と判明

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