猫の「すり寄り」は心を癒す
ペットとのふれあいがストレス軽減に効果的であることは、これまでの研究でも広く知られています。
例えば、犬や猫と過ごすことで、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が低下し、幸福感を高めるオキシトシンが増加することが報告されています。
しかし、ペットを飼うことができない人も多く、その代替としてロボットによる癒しの研究が進められています。
これまでに開発されたセラピーロボットとしては、アザラシ型ロボット「パロ(PARO)」や、ぬいぐるみ型ロボット「Qoobo」などがあります。
これらのロボットは、触れることで癒しを提供するものですが、これまでのセラピーロボットは「人がロボットに触れること」が前提でした。
しかし、筑波大学の研究チームは、「ロボットのほうから人に触れることで、より自然な癒し効果が得られるのでは?」と考えました。
そこで着目したのが、猫のすり寄せ行動。
猫が頭をすり寄せると、私たちは無意識のうちに「愛されている」と感じ、リラックスします。
もしロボットが同じ動作を再現できれば、ペットを飼えない人や、高齢者のメンタルヘルスにも役立つ可能性があります。
では、ロボットによるすり寄せは、本当に人間の緊張を和らげるのでしょうか?