なぜ空中放尿をするのか?
研究チームは、空中放尿が単なる排泄行動ではなく、他のオスとの社会的なコミュニケーションの一環である可能性が高いと話します。
彼らの仮説によれば、アマゾンカワイルカのオスたちは尿に含まれる化学物質を利用して、互いの情報を読み取っているのではないかという。
アマゾンカワイルカは嗅覚や味覚があまり発達していませんが、その代わりに吻部には微細な剛毛が生えており、これが化学物質を検知するセンサーの役割を果たしています。
つまり、彼らは空気中や水面に落ちる尿を「嗅ぐ」のではなく、「触れる」ことで相手の健康状態や社会的地位などを感じ取っている可能性があるのです。

これまでの研究で、動物界における放尿行動は仲間とのコミュニケーションやメスへのアピールに役立つことが示されてきました。
犬やオオカミはおしっこでマーキングすることで縄張りを主張しますし、オスのヘラジカを自分の体に尿を撒き散らすことでメスにアピールします。
アマゾンカワイルカも同じように、自らの尿を使って他のオスに自分の状態を伝えたり、優位性を示したりしているのかもしれません。
とはいえ、アマゾンカワイルカのオスたちが空中放尿をする正確な目的や、どうしてこの行動にメスはほとんど関わらないのかなど、解明されていない点は多々あります。
カワイルカたちのオシッコには「隠れたメッセージ」がまだまだありそうです。