オウムも「味付け行動」をすると判明
研究者たちはオーストリアの研究施設において、18羽のシロビタイムジオウムを対象に実験を行いました。
オウムにはジャガイモとヌードルを餌として用意し、少し離れた場所に3種類のディップ用液体(ブルーベリー味の大豆ヨーグルト、中立的な大豆ヨーグルト、風味なしの水)を提供しました。
そしてオウムたちがどの液体に餌を浸すのかを観察しています。
その結果、
・9羽のオウムが食べ物をヨーグルトにディップする行動が確認されました。
・特にブルーベリー風味のヨーグルトに浸す回数が、中立的な大豆ヨーグルトの2倍以上でした。
・風味なしの水にはまったく浸しませんでした。
・ヌードルをディップする回数がジャガイモより多く、食べ物の種類によっても選好が異なりました。
さらにオウムがヨーグルトを舐め取るのではなく、ヨーグルトを付けたまま食べることも観察されました。
これにより、オウムが単なる餌の洗浄やふやかしではなく、「食べ物の味を調整する目的」でディップする行動をとっていることが示されたのです。
この発見は、鳥類の認知能力に関する新たな知見を提供するとともに、動物の食文化の進化に関する研究にも大きな示唆を与えます。

今回の研究は「鳥は味を楽しむのか?」という疑問に対する新たな答えを提供しました。
これまで、鳥類は哺乳類よりも味覚が単純であると考えられていましたが、オウムの行動は「味わう」ことに関する新たな可能性を示唆しています。
さらに、この行動がどのように広がるのかも興味深いポイントです。
研究チームは今後、
- この行動が他の個体にどのように伝わるのか?
- 野生のオウムでも同様の行動が見られるのか?
- 他の鳥類にも「味付け」の習性があるのか?
といった点を調査する予定です。
あなたの家のペットのオウムも、もしかすると「ディップ好き」かもしれません。
今度、好きな食べ物と一緒に風味付きのヨーグルトを出してみると、意外な発見があるかもしれません。