サウナ浴の健康効果とは?
サウナは今から約2000年前、寒さの厳しい北欧の国フィンランドで誕生しました。
今日、サウナ文化は世界に広く浸透しており、日本でも銭湯やスパ施設でサウナを楽しむ人が増えています。
またこれまでの研究で、サウナ浴は心血管系に良い影響を与えることや、痛みやストレスを和らげる可能性があることが示唆されてきました。
しかし一方で、サウナ浴の科学的研究はその多くがフィンランドの単一集団を対象としたものです。
そこでスウェーデンの研究チームは、同国在住の人々を対象に、「定期的にサウナに入っている人は本当に健康で幸福なのか?」「その効果はどの程度の頻度で現れるのか?」などを新たに調査しました。

本調査では、スウェーデン北部ノールボッテン県とヴェステルボッテン県の住民を対象に調査を実施。
971人にアンケート調査をしたところ、その中で「月1回以上サウナに入る」と答えた人は641人(全体の約66%)でした。
このサウナ利用者と、ほとんど利用しない人たちとを比較したところ、実にさまざまな違いが明らかになりました。
たとえば、サウナ利用者は運動習慣があり、喫煙率が低いという健康的な生活スタイルを持っていました。
また、高血圧の割合が低く、身体の慢性的な痛みも少ないことが報告されています。
さらに注目すべきは、不安や抑うつのレベルが低く、エネルギーや幸福感のレベルが高いなど、精神的な健康も確認されたことです。
特に「月に1~4回サウナに入る人」が最も高い幸福感とエネルギーレベルを示すことがわかりました。
一方で、月に5回以上サウナを利用する人は、逆に幸福度のスコアが中程度の利用者よりも低い傾向にあったといいます。
つまり、サウナ浴は頻繁に行くのではなく、月1〜4回と適度に行くと健康効果が高まると考えられます。
また、サウナ浴のスタイルとしては1回につき15~20分の滞在を1~2セット、60~80℃のサウナを使用する人が多く、冷水浴を併用する人は少数派でした。