微細藻類の繁殖は地球温暖化に伴う二酸化炭素排出を相殺できる可能性がある
微細藻類の繁殖は地球温暖化に伴う二酸化炭素排出を相殺できる可能性がある / Credit:Canva
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微細藻類の繁殖は温暖化に伴う二酸化炭素排出を相殺できる可能性がある (3/3)

2025.03.31 22:00:40 Monday

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炭素放出と吸収の綱引き:小さな藻類が握る未来の鍵

藻類の繁殖は地球温暖化に伴う二酸化炭素排出を相殺できる可能性がある
藻類の繁殖は地球温暖化に伴う二酸化炭素排出を相殺できる可能性がある / Credit:Canva

これまで、多くの科学者は「泥炭地が温暖化の進行によって急速に崩壊し、大量の炭素を放出してしまうかもしれない」と警鐘を鳴らしてきました。

実際、気温が上がれば微生物の分解活動が活発化し、長い年月をかけて蓄えられた泥炭の有機物が一気に分解され、CO₂として大気へ飛び出してしまうリスクは否定できません。

ところが今回の研究で示唆されたのは、たとえ1℃程度の温度上昇であっても、“微細藻類の光合成が想像以上に強まる可能性がある”という事実です。

微細藻類が勢いを増してCO₂を吸い込み続けるなら、泥炭地が思いのほかしぶとく炭素を抱え込み、“炭素放出を抑える力”を持ち続けるかもしれない——そう考えられるようになってきたのです。

もちろん、夏になれば土壌が乾燥したり、逆に雨が多すぎて光合成に不利な環境になるなど、藻類にとって好条件ばかりが揃うわけではありません。

しかしそれでもなお、「小さな藻類の働きをこれまで以上に真剣に考慮すべきだ」という声が高まっています。

興味深いのは、その“微細藻類の炭素固定”によって生まれた有機物が、バクテリアや原生動物など他の微生物の栄養源となる一方で、土壌内の養分バランスをととのえ、過度な炭素放出を抑えるような正の効果も生む可能性がある、という点です。

つまり、光合成という“取り込み”と分解という“放出”が絶妙にせめぎ合う泥炭地のなかで、たった数度の温度変化や土壌の湿り具合が、炭素収支を大きく左右する鍵となっているのです。

今回の成果は、温暖化下の炭素循環を考えるモデルに新たな光を当てると期待されています。

従来のモデルでは「泥炭地は気候変動の被害者のように炭素を失ってしまう」という点が強調されがちでしたが、微細藻類による積極的なCO₂固定が加われば「状況によっては炭素の吸収源になりうる」というシナリオがいっそうはっきりと見えてくるからです。

さらに、コケ類や高等植物を中心とした従来型の保全策だけではなく、“微生物の多様性やバランスをどう守り、どう育てるか”が長期的な炭素蓄積のカギになる、という新しい視点も浮上してきました。

目にはほとんど見えないほど小さい微細藻類が、大規模な気候メカニズムに深く関与し、あるときは炭素の放出を緩和してくれるかもしれない——そう考えると、ひとつの湿地、ひとつの泥炭地の中に、私たちが気づかないまま“未来を左右する可能性”が眠っているように感じられます。

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微細藻類の繁殖は温暖化に伴う二酸化炭素排出を相殺できる可能性がある (3/3)のコメント

ゲスト

水質が悪い場所で採取し乾燥した底質を500℃以上で加熱すると、20%以上質量が減るので、相当量の炭素はあるはず。
これが地中深くで水分が抜けると石油になるのでは?

まさ

微細藻類の繁殖は温暖化に伴う二酸化炭素を相殺できる可能性があるとありますが、微細藻類はすごい可能性があるのでしょうか?ご回答よろしくお願いします。

ゲスト

アクアリウムやってる人なら水槽がものすごい勢いで炭酸ガスを固定するのを目の当たりにするのて、そりゃそう、普通に考えて炭酸ガスの濃度の上昇はガス供給の多さより、植物が利用できる水の減少のほうが原因としか…

海洋ファン

ふーん。確率だね。海の表面には膨大な微生物藻類います。これらは窒素固定します。海の炭酸カルシウムは減っています。陸の人たちは海洋の大きさを甘く見積もっている。陸地の人たちは海洋を知る努力はしないが、逆はしている。甘い。東北海域の水温は6度上がった。水の熱容量は気体の4倍。「気温が24度あがりました」。笑える?笑えない。海洋学者の表現「水温が6度上がっちゃいましたね」。ここ場違い?フジテレビの問題は高尚な気候問題ともつながる。確率なんかに委ねられない。トランプ政権は海洋気象庁の雇用者を2割カットする。これが人間の現実。工学部は裏サイトで農学ピペドと言って、すげすさむ。工学部は全学科、生物学必修にしろ。引き合わない。工学部には、この記事、無感情素通り記事。

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