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Credit: Universidad de Magallanes
paleontology

1億3000万年前の「双子を妊娠した魚竜」の化石を発見!

2025.04.07 12:00:11 Monday

1億年以上も前の魚竜の化石が精巧な状態で見つかることは、それ自体とても貴重なことです。

しかし今回、チリ・マガジャネス大学(University of Magallanes)の古生物学者らは、1億3100万年前の魚竜化石を発見しただけでなく、その個体が双子の胎児を妊娠していたことを明らかにしました。

白亜紀前期の地層から妊娠中の魚竜が発見されたのは、これが初めてとのことです。

研究の詳細は2025年2月25日付で科学雑誌『Journal of Vertebrate Paleontology』に掲載されています。

‘Twins! She has another baby’: Sea monster from Chile had 2 buns in the oven, rare fossil reveals https://www.livescience.com/animals/extinct-species/twins-she-has-another-baby-sea-monster-from-chile-had-2-buns-in-the-oven-rare-fossil-reveals
The first gravid ichthyosaur from the Hauterivian (Early Cretaceous): a complete Myobradypterygius hauthali von Huene, 1927 excavated from the border of the Tyndall Glacier, Torres del Paine National Park, southernmost Chile https://doi.org/10.1080/02724634.2024.2445705

双子を妊娠した魚竜化石を発見!極めてレア

ジュラ紀から白亜紀にかけて、海を支配していたのが「魚竜(イクチオサウルス)」と呼ばれる海棲爬虫類です。

彼らは恐竜の出現時期(約2億3000万年前)よりやや早く誕生し、恐竜が絶滅するより約2500万年前に姿を消しました。

その見た目は現代のイルカやクジラに似た流線型の体を持ち、優れた遊泳能力を誇る捕食者だったことがわかっています。

これまでの研究で、魚竜が胎生(卵ではなく、人と同じように子供を直接産む)であることは知られていました。

しかし今回のように、双子を妊娠した状態のまま化石化した例はきわめて珍しく、白亜紀からの発見は世界で初めてです。

発見された魚竜化石の個体は「フィオナ(Fiona)」と命名されており、最初に発見されたのは2009年のことでした。

しかし化石全体が完全に発掘されるのは、それから10年後のことです。

フィオナは「ミオブラディプテリギウス・ハウタリ(学名:Myobradypterygius hauthali)」という種で、これまでにアルゼンチンで断片的な化石が見つかっていました。

全長は約3.5メートルで、 最初の発掘時にはすでに胎児の一部が確認されています。

ただ詳細な分析のために行われた新たなCTスキャンの結果、体内には2体の胎児が含まれていたことが明らかになったのです。

魚竜は複数の子供を同時に妊娠していたと考えられるので、双子であること自体が珍しいわけではありません。

魚竜のほぼ完全な全身骨格と、胎児がまだ体内に残された状態で見つかったことが非常に稀少だったのです。

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