双子を妊娠した魚竜化石を発見!極めてレア
ジュラ紀から白亜紀にかけて、海を支配していたのが「魚竜(イクチオサウルス)」と呼ばれる海棲爬虫類です。
彼らは恐竜の出現時期(約2億3000万年前)よりやや早く誕生し、恐竜が絶滅するより約2500万年前に姿を消しました。
その見た目は現代のイルカやクジラに似た流線型の体を持ち、優れた遊泳能力を誇る捕食者だったことがわかっています。
Recién reaccionado de lo que pasó gracias a mi tremendo team! Felices de que nuestra expedición al Glaciar Tyndall resultó tremendamente exitosa, luego de un mes de campaña acampando en el sector del glaciar hemos conseguido excavar a la ictiosauria “Fiona” pic.twitter.com/OiBqlQyx3X
— Judith Pardo-Pérez (@judkasan) May 10, 2022
これまでの研究で、魚竜が胎生(卵ではなく、人と同じように子供を直接産む)であることは知られていました。
しかし今回のように、双子を妊娠した状態のまま化石化した例はきわめて珍しく、白亜紀からの発見は世界で初めてです。
発見された魚竜化石の個体は「フィオナ(Fiona)」と命名されており、最初に発見されたのは2009年のことでした。
しかし化石全体が完全に発掘されるのは、それから10年後のことです。
フィオナは「ミオブラディプテリギウス・ハウタリ(学名:Myobradypterygius hauthali)」という種で、これまでにアルゼンチンで断片的な化石が見つかっていました。
全長は約3.5メートルで、 最初の発掘時にはすでに胎児の一部が確認されています。
ただ詳細な分析のために行われた新たなCTスキャンの結果、体内には2体の胎児が含まれていたことが明らかになったのです。
魚竜は複数の子供を同時に妊娠していたと考えられるので、双子であること自体が珍しいわけではありません。
魚竜のほぼ完全な全身骨格と、胎児がまだ体内に残された状態で見つかったことが非常に稀少だったのです。