過激すぎるクレームの全文

「エア・ナーシルに伝えてくれ、ナンニが次のように言っていると。
お前が来たとき、お前は私にこう言った。『ギミル・シンが来たら、上質な銅のインゴットを渡す』と。
だが、お前はその後去り、私との約束を守らなかった。お前は私の使者(シト・シン)の前に、質の悪いインゴットを置いてこう言った。『受け取りたければ取れ、いらなければ帰れ!』
お前は私を何だと思っているのか?そんなふうに私のような者を侮辱するとは。
私はお前に預けてある金の袋を取りに、私たちと同じような身分の立派な使者たちを何度も送った。
しかし、お前は私の使者を侮辱し、手ぶらで私の元に何度も送り返した。それも敵地を通って戻らせたのだ。
ティルムン(当時、大量の銅を取引していた南メソポタミアの交易地)と取引する商人の中で、私をこのように扱った者が他にいるか?
お前一人が、私の使者を侮辱している!
私がほんの1ミナの銀をお前に借りている(かもしれない)というだけで、なぜお前はそんな横柄な口をきくのか?
私はお前の代わりに宮殿に1080ポンドの銅を納めているし、ウミ・アブムも同様に1080ポンドの銅を納めている。
それとは別に、私たちは共にその取引内容をシャマシュ神殿に保管する封印付きの粘土板に記録させたはずだ。
それなのに、お前はその銅について私をどう扱った?
敵地で私の金の袋を差し押さえた。今や私の金を全額返すのはお前の責任だ。
今後、私はお前から上質でない銅を一切受け取らないと心得よ。
これからは私の敷地でインゴットを1つずつ選別して受け取るつもりだ。そして、お前が私を侮辱したことに対して、私は拒否権を行使する」
と、このようにナンニはかなりお怒りの様子で、エア・ナーシルを強い口調で批難しています。
さらに興味深いのが、過去の発掘調査で、ナンニの他にもエア・ナーシル宛てに苦情を記した粘土板が複数見つかっていることです。
エア・ナーシルがどれほどいい加減な商売をしていたのかは定かでありませんが、いずれにせよ彼のビジネスが顧客の満足を得られなかったのは確かなようです。
いつの時代も、顧客と商売人との小競り合いは変わらずあったようですね。
こんな昔でもどちらかに味方したくなる争いごとがあるって知れただけでもうれしくなるね
面白すぎる。文字って素晴らしいですね!