夜の運動は本当に睡眠を妨げるの?
そもそも運動は眠りに良い、と言われています。
身体温の上昇と下降は眠りのスイッチを押し、自律神経の改善やホルモンの分泌によって良質な眠りが促進されるからです。
運動によって精神的緊張が解けることも、「運動は眠りに良い」と言われる理由です。
とはいえ、夜間の高強度な運動は「眠りの質を悪化させる」と警告されてきました。
「寝る2時間前には運動すべきでない」と聞いたことがある人も多いでしょう。

しかし、こういったアドバイスにも、実は揺らぎがあります。
実際、モナシュ大学の研究チームは、「夕方の運動が必ずしも睡眠を妨げるわけではないことを示唆する研究が多くある」と述べています。
では、夕方・夜の運動は本当に睡眠にとって”悪”なのでしょうか?
研究チームはこの点を確かめるため、1年間にわたり、14,689人分の国際的なデータ(合計400万夜分)を収集しました。
その中で被験者たちは、センサーを装着し、運動、睡眠、心血管のデータを記録しました。
特に、夜間の運動とその強度、睡眠時間、質の関係性が分析されました。
結果はどうなったでしょうか。