加齢黄斑変性の新たな治療法!?金を眼球に注入するアイデア

加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration:AMD)は、視野の中心がぼやけたり、黒く抜け落ちるように見えたりする進行性の眼疾患です。
網膜の中心にある「黄斑」と呼ばれる部位がダメージを受けることで発症し、高齢者を中心に世界中で患者が増加しています。
黄斑は、細かいものを識別したり色を見分けたりする働きをもっており、「網膜の中では一番大切な場所」とさえ言われています。
そのため、加齢黄斑変性の症状が進行すると、読書や運転、人の顔の識別といった日常の視覚活動が困難になり、重度の場合は失明に至ることもあります。
現時点では、進行を遅らせるための抗VEGF薬(血管内皮増殖因子阻害薬)の眼内注射が主な治療法とされていますが、既に光受容体が損傷・死滅しているケースでは視力回復が非常に困難でした。

そこで、ブラウン大学の研究チームが提案したのが、金ナノ粒子を網膜に注入し、そこを近赤外線レーザーで刺激するというアイデアです。
金の粒子は光や熱にとても敏感で、レーザーを受けるとわずかに熱を出します。
この熱が、光受容体の次にある神経細胞(双極細胞や神経節細胞)を活性化させ、視力回復に導くというのです。
では、実験ではどのような結果になったのでしょうか。