感謝の念を抱くと「うつ病リスク」が低下する

一般的に、ネガティブな情報はポジティブな情報よりも強く注意を引きます。
この差は非常に強力で、「否定性バイアス」と呼ばれています。
研究者たちは、これが進化の適応の結果だと考えています。つまり、危険に敏感であることが生存のために不可欠だったのです。
しかしそのために、他人の親切さやこの世界の美しさに気づかないまま一日を終えてしまうこともあります。
それは私たちにとって大きな損失です。
感謝とは、ポジティブな感情として経験されるものです。
それは友人や家族はもちろん、見知らぬ人や神様のような高次の存在、あるいは自然や地球そのものなどが、友情や経済的支援、生きがいといった価値ある何かを与えてくれたと気づくことで生じます。
過去の研究でも、誰かや何かに対して感謝の気持ちを抱くと、幸福感や人生満足度が高まり、うつ症状が軽減することがわかっています(Personal RELATIONSHIPS, 2010)。
特にストレスの多い時代には、意識的にポジティブな出来事に目を向ける努力が、心の健康を支える大きな鍵となるのです。
では、日常的に感謝を実践するにはどのような方法がいいのでしょうか?
アルゴー氏は、主に2つの方法を挙げています。