ゲーム的集中力を現実に応用するテクニックとは?
ゲームに集中できるのは、「行動→結果→報酬」のループが短時間で繰り返されるからです。
この構造を現実のタスク管理に応用するために、エロー氏はまず、タスクを細かく分解しました。
例えば「部屋を片付ける」なら、「ベッドを整える」「机を拭く」「床を掃除機がけする」といった2〜5分で終わるマイクロタスクにまで細かく分けます。

これにより、1日に繰り返される“ループ”の回数が格段に増えるのです。
次に、フィードバックを強化するために使ったのが付箋でした。
彼はそれぞれのマイクロタスクを1枚の付箋に書き、終わったら紙をくしゃくしゃにして、透明な瓶に放り込むことにします。
この行動には「触覚・音・視覚」の三重の報酬があり、「達成感」がリアルに感じられるといいます。
そしてこの付箋ライフハックによって、日常のタスクでも「行動→結果→報酬」のループが短時間で繰り返され、エロー氏はなすべきことに集中できるようになりました。
しかし、実践していく中で、このライフハックにはひとつだけ欠点があると分かりました。
書くのが面倒くさいのです。
20枚、30枚と毎日手書きするのは時間がかかり、時には面倒でサボってしまうのです。
そこで登場するのがレシートプリンターです。
New experiment alert: Receipt printer to make tasks tactile? Thanks to a HN post that’s what I’m experimenting with 🧪
Let’s see what we learn! 😍 pic.twitter.com/EMXLQNDh5J
— Ashley Hindle (@ashleyhindle) June 16, 2025
エロー氏は、POSレジで使われるサーマル式のレシートプリンターを活用し、自作スクリプトで日々の習慣やタスクを自動印刷する仕組みを作り上げました。
これにより、数十個のタスクを一瞬で印刷でき、1タスク1枚で手軽に使えるレシート紙が“付箋”の役割を果たすようになったのです。
サーマルプリンターはインク不要で低コストであり、ロール紙1巻で数千のタスクが出力できる実用性も魅力です。
さらに、曜日ごとに異なるルーチンを出力することで、生活のテンポに合わせた“習慣トリガー”も設定可能となりました。
結果として、エロー氏は「一度も習慣を抜かさず継続できている」と語ります。
しかも、彼はタスクの階層構造を表示する自作アプリも開発し、それをプリンターと連携させています。
これにより、タスクの”全体像”と”次にやるべきこと”の両方を視認可能にし、心理的ハードルをさらに下げることに成功しました。

こうした工夫により、彼の生産性は「過去と比べて2倍、3倍になった」と語られています。
以前はほとんど作業できない日もありましたが、今では安定して毎日成果を出せるようになったのです。
「ゲームの中で得られる集中と達成感」を現実世界に持ち込むという発想は、一見奇抜に思えるかもしれません。
でも実際には、「私たちの脳は”報酬”に正直で、”快感”に導かれて動く」というごく自然な仕組みを活かしただけです。
たとえADHDの症状に苦しんでいたとしても、この方法を用いるなら、やるべきことを先延ばしにせずにすむかもしれません。
紙、ペン、空き瓶(可能であればレシートプリンター)さえあれば、あなたも今日からこのライフハックを始められます。
次にくしゃくしゃにするのは、あなたの“先延ばし癖”かもしれませんよ。
むしろここまでしないと先延ばしにして手を付けないのですね。
いいなー
そのうちARグラスに実装されれば毎日楽しくなりそう