ロボットが尿路結石の重量を30%減少させることに成功

研究チームは、人間の尿路を模した3Dプリントモデルを作成し、その中に実際の尿酸結石と合成尿を用いて実験を行いました。
このモデルは膀胱から腎盂までの経路を再現しており、リアルな内部構造や尿の流れを模した環境でロボットの性能を確認できるようになっています。
研究チームは、ロボットを尿道から導入し、外部磁気アームによって腎盂部に配置された結石に到達させました。
ロボットはその場に静止させられ、尿素分解酵素が結石周辺に作用するように設定されました。
その結果、尿のpH値は6から7へと上昇し、アルカリ化によって尿酸結石の溶解が促進されました。
実際に計測された結果では、5日間で平均して結石の重量が約30%減少しており、物理的に縮小したことが確認されました。

さらに特筆すべきは、酵素の作用が一時的なものではなく、最大で3ヶ月間にわたりpH上昇効果が持続した点です。
これは、ゼラチン素材から酵素が持続的に放出されることによるもので、短期的な効果にとどまらず、長期的な治療アプローチにも適用できる可能性を示しています。
今後は、大型哺乳類を用いた動物実験が予定されており、尿流による影響や腎組織との相互作用、免疫反応といった、より現実に近い条件下での検証が行われます。
その後、成果が得られるなら、いよいよヒトを対象とした臨床試験へと展開される予定です。
この小さなロボットが、将来的にはメスを使わず、経口薬にも頼らず、「あの悪魔の痛み」を予防・対処する新たな医療の選択肢となるかもしれません。
一度経験しましたが痛かったですね。
あれは…痛かった…痛かったぞぉぉぉってくらいには痛かったです。