カロリー制限しても避けられないリスクとは
今回の臨床試験の大きな特徴は、「両グループとも摂取カロリーと栄養バランスを厳密に揃えた」ことにあります。
つまり、“食べすぎ”や“偏った栄養”が原因ではなく、「加工の度合いそのもの」が健康に悪影響を及ぼすことが証明されたのです。
従来の研究では、超加工食品の害悪は「食べすぎによる肥満」や「糖質・脂質過多」といったカロリー由来のものと考えられてきました。
しかし今回の研究では、未加工食品に切り替えただけで、短期間でも体重や脂質、ホルモン・精子運動性などに大きな差が生まれたのです。
加えて、超加工食品には「食品添加物」や「保存料」「人工甘味料」なども多く含まれており、これらが体内にどのような長期的影響を与えるかは、まだ十分に解明されていません。
また、習慣的にこうした食品を摂取し続けることで、心臓病や糖尿病、がんなどの慢性疾患リスクがさらに高まることも、多数の疫学研究で示唆されています。

忙しい現代人にとって、パンやカップ麺、冷凍食品、スナック菓子といった「超加工食品」は欠かせない存在になっています。
しかし、その“便利さ”の裏で、私たちの体や次世代への影響が静かに進んでいることが、科学的に明らかになってきました。
今回の研究は、たとえカロリーや栄養バランスに気をつけていても、「超加工食品の摂取そのもの」が男性の体重増加、生殖機能の低下、有害物質の蓄積など多面的なリスクを高めることを示しています。
食生活の中で「未加工食品」や「手作り」の食事を意識的に取り入れ、便利さと健康のバランスを見直すことが、未来の自分や家族のためにできる一歩かもしれません。
つまり、超加工食品は効率よくエネルギーを摂取できるということですね。