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「先延ばしにする人」と「すぐやる人」の脳は根本から違っていた

2018.08.27 Monday

Credit: GoShiva/iStock
Point
・「先延ばしにする人」は、脳の「扁桃体」が大きい傾向があることが判明
・扁桃体は「恐れ」や「感情」を制御する領域であり、そこが大きな「先延ばしにする人」は、「リスク回避型」の行動をとっていると考えられる
・さらに両者の間には、脳の「相互接続性」においても違いが見られた

同じ人間であっても、なぜ「すぐやる人」と「先延ばしにする人」に分かれてしまうのでしょうか?研究者たちは、その謎を長きにわたり追いかけてきました。

そして最新の研究でそれら2つの神経基盤を調査した結果、ついに両者の脳は「根本から異なっている」ことが明らかになったのです。

The Structural and Functional Signature of Action Control
http://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797618779380

研究では、MRIを用いて264名の男女の脳を調査。参加者たちは撮影後、「行動力」や「衝動性」を測るための質問に回答し、「すぐやる人」と「先延ばしにする人」のグループに分けられました。

その結果明らかとなったのは、行動のコントロールが苦手な「先延ばしにする人」は、脳の「扁桃体」が大きい傾向があるといったことでした。扁桃体は「感情」や「恐れ」をコントロールする領域として知られています。

このことから、「大きな扁桃体」を持つ人は、「恐れ」を回避する行動すなわち「現状維持」を好むことが考えられます。つまり、その「大きな扁桃体」を持つ「先延ばしにする人」は、現状維持を好んでいるために、やるべきことを先延ばしにしてしまうのです。

「先延ばしにする人」は、しばしば単に「怠惰」であると受け取られますが、この事実から言えるのは、それは「怠惰」ではなく「リスク回避型」の行動をとっているだけなのかもしれないということです。扁桃体がその記憶に基づいて、「すぐやること」が「リスク」であると判断している可能性があるのです。

さらに2つのグループの間には、脳の「相互接続性」においても違いが確認されました。「先延ばしにする人」のグループの脳において、扁桃体と「背部前帯状皮質」のつながりが弱いことが分かったのです。これは、その「つながり」が「行動のコントロール力」の弱さに直結していることを示唆しています。

これが本当であれば、「行動力」の有無は、そもそも脳の作りによって決められていたこととなります。そうなれば衝撃的な事実ですが、この研究はまだまだ小規模。研究者たちは、結果を裏付けるためのさらなる研究が必要であると考えています。

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via: sciencealert / translated & text by なかしー

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