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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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1年のうち2日間だけ「黄色に変色する」カエル、その理由とは?

2025.11.05 22:00:31 Wednesday

1年のうちに2日間だけ、茶色から鮮やかな黄色に変色するオスのカエルがいます。

アジアを中心に広く分布する「ヘリグロヒキガエル(Duttaphrynus melanostictus)」という種類です。

なぜこのカエルたちは、年に2日だけ「目立つ黄色」を選ぶのでしょうか?

研究の詳細は2025年9月2日付で科学雑誌『Ichthyology & Herpetology』に掲載されています。

For Just Two Days A Year, These Male Toads Turn A Jazzy Bright Yellow. Now We Know Why https://www.iflscience.com/for-just-two-days-a-year-these-male-toads-turn-a-jazzy-bright-yellow-now-we-know-why-81393
Dynamic Sexual Dichromatism Promotes Rapid Mate Recognition in an Explosive Breeding Toad https://doi.org/10.1643/h2024105

年に一度の変色、なぜオスだけが黄色に?

ヘリグロヒキガエルは「爆発的繁殖型」と呼ばれる繁殖様式をもちます。

これは、雨季の訪れとともに数百、数千というカエルたちが一斉に水辺に集まり、数日間で一気に産卵・受精を終えてしまう、まさに“大集団婚”のようなイベントです。

この短期間にオスたちは競い合ってメスを探し、できるだけ多くの卵に精子を届けようと必死になります。

そのため、カエルたちは普段の地味な体色ではなく、オスだけが急激に鮮やかな黄色へと変化するという珍しい現象を示します。

【こちらが実際の画像です】

一見、「メスへのアピール?」と思いきや、実はメスはこの期間、ほとんどパートナーを選ぶ余地がありません。

むしろ、オス同士の間違った“勘違い交尾”や、密集する集団内での無駄なエネルギー消耗を避けるために、この色の違いが重要な役割を果たしているのです。

オーストリア・ウィーン大学(University of Vienna)らの最新研究によると、オスが鮮やかな黄色に変わることで「自分はオスだ」と周囲に強くアピールできるため、他のオスから無駄に抱きつかれることを防ぎ、メス探しに集中できるというのです。

この現象を解明するために、研究チームはカエルの視覚シミュレーターを開発し、実際にカエルがどう周囲を見ているのかを再現。

さらに模型実験では、オスたちが茶色の模型(メスの色)には2倍多く接触し、黄色の模型にはほとんど興味を示さなかったことが明らかになりました。

次ページ「黄色」はモテ色ではない?カエル社会のリアル

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