「まさかの今!?」 何かをしている真っ最中に化石に…
約5,600万年前から3,390万年前まで続いた始新世だが、その特徴の1つは、幅広い気候条件を経験したことである。過去6,600万年でもっとも暑い気候にさらされた時期もあるかと思えば、極寒の気候で終焉を迎えた。
哺乳類目のもっとも古い時代の化石の多くは、始新世の地層から出土している。そして忘れてはいけないのは、始新世の海が、多くの魚や水生動物が暮らす魚たちの楽園だったということだ。
魚の群泳がいつどのようにして始まったのかを正確に特定し、類似した行動様式が他の生物にも発展した経緯を限定するには、さらなる調査が必要だ。
同じように「集団」で行動する生物(エビ、哺乳動物、恐竜など)の化石を調べることは、太古に存在した生物の生態を理解し、集団運動の背景にある進化の過程を再構築するのに、大いに役立つはずだ、と水元氏は語っている。
論文では、何かをしている最中に化石化した生物の例として、喧嘩中の恐竜、行進中の三葉虫、交尾中の昆虫が挙げられている。まさか、その瞬間に固まってしまい、ずっと後になってその姿を人の目にさらされるなんて、彼らには思いもよらなかっただろう。
Erismatopterus levatusの化石は、福井県立恐竜博物館で公開されている。