
Point
■生きた神経と筋肉細胞から成る、およそ1ミリメートルの泳ぐロボットが開発される
■ロボットは照射されると動くが、まだその動きをコントロールするまでには至っていない
■このロボットが医療機器などと結びつくことで、ソフト・ロボティクスの分野に革命を起こす可能性がある
硬く力強いイメージのあるロボットですが、「やわらかさ」を加えることで柔軟な対応を可能にする「ソフトロボティクス」という技術分野が昨今注目されています。
今回開発されたのは、生きた神経と筋肉細胞から成る半生物ともいえる小さなソフトロボットで、光に照らされると動き回るとのこと。
イリノイ大学の研究者による論文は、9月16日付けで「Proceedings of the National Academy of Sciences」に掲載されています。
Neuromuscular actuation of biohybrid motile bots
https://www.pnas.org/content/early/2019/09/12/1907051116
ソフト・ロボティクスの分野に朗報
ロボットの中のメカニカルな部分は柔らかく、生きた細胞と互換性を保つようにデザインされました。そしてその大きさはおよそ1ミリメートルと、針の先ほどしかありません。
しかし研究者はこのロボットについて、「特別賢いわけではない」と話しています。その仕組みは、「ロボットに搭載された神経細胞が光に反応して、自動的に筋肉を動かす命令を下しているだけ」とのこと。
現段階ではまだ、そこに複雑な指令を盛り込むことはできません。

しかし、骨格筋と幹細胞由来のニューロンを1つのマシンの中に統合するという試みは新しく、ソフト・ロボティクス分野に希望の光を与えました。