未来へ向けた改良点
リチウムイオン電池は今や蓄電池として、他の追随を許さない存在です。
IT機器だけでなく、電気自動車のバッテリーや、供給の不安定な太陽光発電、風力発電の蓄電池として再生可能エネルギーのサポートも行っています。
今回の受賞では化石燃料への依存を減らすクリーンなエネルギー技術という点も、重要なポイントになったといいます。
ただ、リチウムイオン電池は全ての問題が解決した技術ではありません。発熱の危険は完全に除去されたわけではなく、正しく運用されないためのバッテリー爆発事故は未だに報道で耳にすることがあります。
また、クリーンな点がピックアップされましたが、リチウムの採掘については環境に優しいとは言えない現状があります。
新技術はまだまだ優れたバッテリーの存在を求めていて、さらなる改良の余地、または新たな電池開発の必要性は失われていません。
「確かな目標と、たゆまぬ努力があれば未来に可能性が生まれます」と語る吉野氏。今後もこうした優れた科学者たちのあとに続く人々が、未来の世界を築いていくのでしょう。