急展開!月に橋は存在した
しかしその後も疑問は残り続けました。
このような自然由来の「橋」は本来、風と水の浸食により何百万年もかかって形成されるものです。探査機で確認する限り、月面に橋を作るほどの水量は確認されていません。
そこで専門家たちは、「そもそも月面に橋自体が存在できないのではないか」という疑問に至ったのです。果たして月に自然由来の橋は存在可能なのでしょうか。
その答えは、2010年にNASAの探査機「ルナ・ルコネッサンス・オービター」によってもたらされました。なんとオニール橋とは別の場所に、新たな月面橋が発見されたのです。
それがこちら。
この橋は全長が約20メートルとオニール橋よりはずっと小ぶりですが、確かに存在が確認されました。
橋は、「キング・クレーター」と呼ばれる直径72kmの大きなクレーター内に位置しています。キング・クレーターは、隕石の衝突により形成されたものですが、その際の衝突熱で岩の2ヶ所が崩落し、橋が作られたと推測されています。
風や水の浸食が原因ではないものの、月面には確かに橋が存在したのです。
オニール橋の真相はいまだに謎ですが、これでオニール氏とウィルキンス氏も冥土で少しは安心していることでしょう。