- 砂糖の過剰な摂取は、体内に炎症を起こし、やがてはうつ病に繋がることが報告される
- 砂糖の過剰摂取は、気分の悪化、幸福感の低下、体重増加を伴った長期的な悪影響をもたらす
今年もあと少しで終わり、年末年始の休暇シーズンに入ります。そんな時こそ気をつけたいニュースです。
アメリカ・カンザス大学により、砂糖の過度な摂取がうつ症状を引き起こすことが発表されました。
休暇中は甘い食品を食べる機会も増え、それに加え、生活習慣の崩れや冬時期の日射量低下などが重なり、余計にうつ症状を発症しやすくなります。
不安を感じやすい人や、うつに罹ったことがある人は、砂糖の取りすぎは控えたほうがよさそうです。
研究の詳細は、「Medical Hypotheses」に掲載されました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S030698771930876X?via%3Dihub
体内の炎症が「うつ感情」を引き起こす?
研究主任のDaniel Reis氏は「毎年、冬になると、うつ症状を訴える人が10%以上も増加します。さらに、冬時期のうつ症状に特徴的なサインは、甘いものが食べたくなることです」と指摘します。
砂糖には、一時的に気分を高揚させる効果があるため、うつ病患者は、何かと甘いものを摂取したくなるのです。ある意味で、砂糖はアルコールに似たような面を持っています。
1日に1杯のアルコールは有益な効果がありますが、摂取量が増えると有害なものに変わります。
砂糖も同じで、適量の摂取なら気分を高揚させてくれますが、過度の摂取は、長期的に有害な作用をもたらし、気分の悪化、幸福感の減少、体重増加を引き起こすのです。
また、砂糖の過剰摂取は、体内の炎症を誘発します。炎症とうつ病には、密接な関係があり、うつ病患者の大半が何らかの炎症を抱えているそうです。
これは、ヒトの体内に生息する微生物に関係があります。
私たちの体には10兆以上の微生物が住んでおり、共生的で安全な微生物は、基本的に私たちの気分を向上させるように働きます。
しかし、中には、砂糖の過剰摂取により増殖して、体内に炎症を起こし、脳を不安やストレス、うつ状態に追い込む微生物もいるのです。
炎症やうつ症状を防ぐ方法として、Reis氏は「1日の砂糖摂取量は25グラム以内に抑えることだ」と述べています。それを越えると、気分障害を起こす可能性が高くなるようです。
クリスマスやお正月は、人付き合いもあって、どうしても甘いものを食べなければいけない場面があるでしょう。そんな時こそ、心の中で「ノー・シュガー」と唱えたいところです。