星の最期は3つ。実はほとんどは爆発しない!?
冒頭に述べたように、星の最期は必ずしも「赤く大きく膨らんで最終的には爆発してしまう」赤色巨星から超新星爆発の道をたどるわけではありません。恒星のうち97%は爆発せず、白色矮星になると言われています。
質量が小さい星の場合
核融合反応で、水素→ヘリウム→酸素・炭素と元素が作られますが、まず中心にヘリウムがたまって周りの水素が核融合をしてエネルギーを出し、星の外側が膨らみます。これが赤色巨星の状態で、ベテルギウスもその1つ。
外側は膨らみ続け、中心には炭素と酸素の塊ができ、周りのガスは宇宙空間に流出。このガスが照らされると、惑星状星雲が作られます。こと座にあるリング星雲が有名ですね。芯の部分は「星の死骸」とたとえられる白色矮星と呼ばれます。
質量が大きい星の場合
重い星になるほど、核融合反応が進んで重い元素が作られます。そして最期に超新星爆発が起こり、吹き飛ばされたガスが星雲を形成します。平安時代の記録にも残されている超新星爆発の名残、かに星雲が有名ですね。
芯の部分は天体として形を保てる場合は中性子星になりますが、限界の質量を超えてしまうと、重力が重すぎて対抗できる圧力がなく、ブラックホールになると考えられています。
ブラックホールといえば、電波望遠鏡の記事で取り上げたように、昨年はじめて撮影が成功して話題になりましたよね。
一度は見てみたいものですが、遭遇する確率は極めて低い超新星爆発。
でも、明るさの変化や色の違い、生まれたての姿の星団や最期がしのばれる星雲など、それぞれに星の人生のワンシーンが見られ、一生の移り変わりを想像することができます。
冬は空気が澄んでいるうえに明るい星が多く、天体観測に適したシーズンです。星の一生を感じる、そんな新しい観測はいかがでしょうか。
Rererence: Earth Sky, National Geographic, 星空案内人になろう!(技術評論社), EN. Wikipedia, Ohio State University Astronomy 1144: Introduction to Stars, Galaxies, and Cosmology / written by ofugutan